○南さつま市議会基本条例

平成27年8月28日

条例第32号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 市民参加及び市民との連携(第6条―第8条)

第4章 政策の提言等(第9条)

第5章 議会と行政との関係(第10条・第11条)

第6章 討議の保障(第12条・第13条)

第7章 情報公開(第14条・第15条)

第8章 議会及び議会事務局の体制整備(第16条・第17条)

第9章 見直し手続(第18条)

附則

南さつま市議会(以下「議会」という。)は、二元代表制の下、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第1項に規定する議決事件に留まらず、市長等執行機関との健全な緊張関係を保持しながら、立法機能及び行政監視機能を十分発揮し、地方自治の本旨の実現を目指さなくてはならない。

これまで議会は、本会議の一般質問における一問一答方式の実施や議員自身が編集する議会だよりの発行、本会議のネット配信等、市民に開かれた議会の実現に向けて地方議会として積極的に取組を進めてきた。

地方分権の時代にあって、地方自治体が自らの責任においてその組織及び運営に関する様々な決定を行うことを可能とし、このことにより、地方議会が果たすべき役割の重要性は更に高まっている。

議会及び議員は、今後さらに市民からの信頼に応えるため、議決事項への責任ある姿勢はもちろん、情報の公開を一層進め、議員相互の自由闊達な議論を展開しながら、市政の論点を分かりやすくし、政策立案及び提言を積極的に行っていかなければならない。

以上のことから、議会及び議員はその責務を自覚し、市民の負託に応えられる議会を目指して、全力で取り組んでいくことを決意し、議会の最高規範として、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、真の分権時代にふさわしい、議会及び議員が担うべき役割を果たすために必要な基本的事項を定めることにより、議会が市民の負託に応え、もって市民福祉の向上、市政の発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき、活動するものとする。

(1) 公正性、透明性及び信頼性を重視する市民に開かれた議会運営を目指すこと。

(2) 議決機関であることを自覚し、政策決定及び市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)の事務に対して監視及び評価機能を果たすこと。

(3) 議決責任を深く認識し、市民に対して積極的な情報公開に取り組むこと。

(4) 市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするよう努めること。

(5) 市民にとってわかりやすい言葉・表現を用いた議会運営を行うよう努めること。

(6) 議会は、審査で出された意見等が予算に反映するよう市長等に求めること。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき、活動するものとする。

(1) 市政の課題全般について、市民の意見を的確に把握するとともに、自らの資質の向上に努めること。

(2) 議会の構成員として、特定個別的事案の解決だけでなく、市民全体の福祉の向上を目指すこと。

(3) 議会活動について、市民に対して説明責任を果たすこと。

(会派)

第4条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。

2 会派に関し必要な事項は、別に定める。

(議員の政治倫理)

第5条 議員は、市民全体の代表者として、議員の職務に専念し、その倫理性を常に自覚し、自己の立場に基づく影響力を不正に行使することによって市民の疑惑を招くことのないよう言動に注意しなければならない。

第3章 市民参加及び市民との連携

(参考人・公聴会)

第6条 議会は、常任委員会、特別委員会及び議会運営委員会等(以下「委員会」という。)の運営に当たり、参考人制度を活用して市民の意見等を議会の審議に反映させることができる。

2 議会は、特に広く市民の意見を聴取することが必要と判断される場合、公聴会制度を活用して、市民、利害関係者、学識経験者等の意見を聴取し、議会の審議に反映させることができる。

(請願・陳情)

第7条 議会は、市民及び各種団体等の、行政等に対する意見や要望等の要請を行う手段である請願及び陳情に対しては、適切かつ誠実に審査するものとする。

2 請願及び陳情を提出した者は、委員会の求める場合は趣旨について陳述することができる。

(市民団体等との意見交換の場及び議会報告会)

第8条 議会は、市民団体等から要請のあった場合や、市政の諸課題に対処するため、意見交換の場を設けることにより、議会及び議員の政策提案機能の強化及び拡大を図るものとする。

2 議会は、特に市民への議会全体としての報告が必要と思料される案件等について議員からの提案があった場合、全体に諮って議会報告会を開くことができる。

3 報告会においては、議員個人の意見ではなく、議会としての議決に沿った発言をもって報告するものとする。

第4章 政策の提言等

(政策の提言)

第9条 議会は、市政運営に対する監視及び評価並びに市政に対する政策提案及び政策提言に関する機能の強化を図るものとする。

2 議員は、市民の代表であり、活発な議員活動を通じ、議案の提出や政策の提言を積極的に行うものとする。

3 議会は、議員間討議を尽くし、意見集約がなされた内容について、政策立案又は政策提言等政策形成に努めるものとする。

第5章 議会と行政との関係

(議員と市長等との関係)

第10条 議会審議において議員と市長等は、次に掲げるところにより、互いに独立対等な立場であることを尊重しながら、健全な緊張関係を保持しなければならない。

(1) 本会議の一般質問における議員の質問及び市長等の答弁は、市政上の論点及び争点を明確にするため、原則として一問一答の方式で行うものとする。

(2) 本会議及び委員会において市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問及び質疑に対して反問することができる。

(政策等における説明)

第11条 議会は、市長等が提案する計画、政策、事業、予算・決算等(以下「政策等」という。)について、より理解を深めるとともに、建設的な議会審議に必要不可欠な論点整理に資するために、市長等に対し、説明及び資料を求めることができる。

2 議会は、前項の政策等にかかる説明及び資料を最大限に活用し、立案、執行における論点及び争点を明らかにしながら、当該政策等の必要性、妥当性、費用対効果及びその他必要な事項について審議し、議決又は意見に反映させるよう努めなければならない。

第6章 討議の保障

(議員間の自由討議)

第12条 議会は言論の府であることを十分に認識し、秩序ある運営を阻害しない議員の発言は保障されなければならない。

2 議会は、委員会において、議案等の審査に当たっては、委員長の許可を得て、議員間の自由な討議ができるよう努めるものとする。

(政策の討議)

第13条 議会は、市政に関する重要な政策及び課題に対して、共通認識及び合意形成を図るため、政策討議の場を設けるよう努めるものとする。

第7章 情報公開

(会議の公開)

第14条 議会は、議会の活動に関する情報公開に努め、市民に対する説明責任を果たさなければならない。

2 議会は、地方自治法第115条第1項の規定により原則公開する。

(議会広報の充実)

第15条 議会は、議会広報誌の発行、インターネット配信等の多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動の充実に努めるものとする。

第8章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実)

第16条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。

2 議会は、前項の研修に当たり、各分野の専門家や市民各層等との研修会を開催するものとする。

(議会事務局の体制整備)

第17条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案能力を向上させるため、議会事務局の調査及び法制体制の充実を図るものとする。

第9章 見直し手続

(見直し手続)

第18条 議会は、この条例の遵守と推進のため、議会運営委員会等で、適宜検証を行うものとする。

2 議会は、社会情勢の変化等により、この条例を見直す必要が生じた場合は、速やかに検討し、改正の措置を講ずるものとする。

この条例は、平成28年1月1日から施行する。

南さつま市議会基本条例

平成27年8月28日 条例第32号

(平成28年1月1日施行)