○南さつま市伝統的建造物群保存地区保存条例
平成29年3月24日
条例第16号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項の規定に基づき、市が都市計画に定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他その保存及び活用のため必要な措置を定めることにより、地域の伝統技能及び技術を承継させ、もって市の文化的向上に資することを目的とする。
(1) 伝統的建造物群 法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。
(2) 伝統的建造物群保存地区 法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)をいう。
(保存活用計画)
第3条 南さつま市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、市長が都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項の規定に基づき都市計画に保存地区を定めたときは、南さつま市伝統的建造物群保存地区保存審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴いて当該保存地区の保存及び活用に関する計画(以下「保存活用計画」という。)を定めなければならない。
2 前項の保存活用計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 保存地区の保存及び活用に関する基本計画に関する事項
(2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の決定に関する事項
(3) 伝統的建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の保存整備計画に関する事項
(4) 伝統的建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件に係る助成措置等に関する事項
(5) 保存地区の保存及び活用のため必要な管理施設及び設備並びに環境の整備に関する事項
(6) 保存地区の保存及び活用のために必要な事業計画に関する事項
3 教育委員会は、第1項の保存活用計画を定めたときは、これを告示しなければならない。
(現状変更行為の規制)
第4条 保存地区内における次に掲げる行為については、あらかじめ、市長及び教育委員会の許可を受けなければならない。
(1) 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の新築、増築、改築、移転又は除却
(2) 建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの
(3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更
(4) 木竹の伐採
(5) 土石の類の採取
(6) 水面の埋立て
(7) 屋外広告物の設置又は変更
(8) 伝統的建造物であって建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第2号に規定する特殊建築物に該当するもののうち、文化財的価値を有するものとして内部を公開する用途に供するものの修繕、模様替え又は色彩の変更でその内部を変更することとなるもの
(1) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(2) 次に掲げる工作物の新築、増築、改築、移転又は除却
ア 一時的に設置するもので撤去することが容易な工作物
イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの
(3) 次に掲げる木竹の伐採
ア 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のため通常行われる木竹の伐採
イ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
ウ 森林病害虫等防除法(昭和25年法律第53号)第2条第1項に規定する森林病害虫等防除のための木竹の伐採
エ 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採
オ 仮植した木竹の伐採
(4) 前3号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
ア 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
イ 鹿児島県公安委員会及び道路管理者が行う道路標識等の設置又は管理に係る行為
ウ 農林漁業等を営むために行う行為
3 市長及び教育委員会は、第1項の許可を与える場合には、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付することができる。
(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、これらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(2) 伝統的建造物の移転(同一保存地区における移築を含む。以下この号及び第5号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(4) 伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、これらの行為後の当該建築物等の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(5) 伝統的建造物以外の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(6) 伝統的建造物以外の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(8) 前各号に定めるもののほか、当該行為後の建築物等又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。
(1) 都市計画法による都市計画事業の施行として行う行為
(2) 都市計画法による国、県若しくは市又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為
(3) 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)又は農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和25年法律第169号)に規定する林地荒廃防止施設の災害復旧事業に係る行為
(4) 道路法(昭和27年法律第180号)による道路の改築(小規模の拡幅、舗装、勾配の緩和、線形の改良その他道路の現状に著しい変更を及ぼさないものに限る。)、維持、修繕又は災害復旧に係る行為
(5) 法第27条第1項の規定により指定された重要文化財、法第78条第1項の規定により指定された重要有形民俗文化財、法第92条第1項に規定する埋蔵文化財又は法第109条第1項の規定により指定され、若しくは法第110条第1項の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物の保存に係る行為
(6) 鹿児島県文化財保護条例(昭和30年鹿児島県条例第48号)第4条第1項の規定により指定された鹿児島県指定有形文化財、同条例第25条第1項の規定により指定された鹿児島県指定有形民俗文化財、同条例第30条第1項の規定により指定された鹿児島県指定史跡、鹿児島県指定名勝又は鹿児島県指定天然記念物の保存に係る行為
(7) 南さつま市文化財保護条例(平成17年南さつま市条例第187号)第4条第1項第1号の規定により指定された南さつま市指定有形文化財、同項第3号の規定により指定された南さつま市指定有形民俗文化財、同項第4号の規定により指定された南さつま市指定史跡、南さつま市指定名勝又は南さつま市指定天然記念物の保存に係る行為
(8) 郵便差出箱の設置又は管理に係る行為
(9) 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第4号に規定する電気通信事業の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(10) 公衆電話施設の設置又は管理に係る行為
(11) 放送法(昭和25年法律第132号)第2条第2号に規定する基幹放送又は有線テレビジョン放送(有線電気通信設備を用いて行われる同条第18号に規定するテレビジョン放送をいう。)の用に供する線路又は空中線系(その支持物を含む。)及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(12) 電気事業法(昭和39年法律第170号)による電気事業の用に供する電気工作物の設置(発電の用に供する電気工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
(13) 水道法(昭和32年法律第177号)による水道事業の用に供する施設又は下水道法(昭和33年法律第79号)による下水道の排水管の設置若しくは管理に係る行為
(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文者若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者
(3) 第4条第3項の規定により許可に付した条件に違反している者
(4) 詐欺その他不正な手段により、第4条第1項の規定による許可を受けた者
2 市長及び教育委員会は、前項の規定により許可取消処分をし、又は命令をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴き、かつ、当該取消処分又は命令を受ける者について聴聞を行わなければならない。
(損失の補償)
第9条 市長は、第4条第1項の許可を受けることができなかったことにより、損失を受けた者に対して申出により通常生ずべき損失を補償するものとする。
(保存のための措置)
第10条 市長は、保存地区内における伝統的建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な措置を行うことができる。
(経費の補助)
第11条 市長は、保存地区内における伝統的建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる当該物件の所有者等に対し、当該物件の管理、修理、修景又は復旧のための経費の一部を補助することができる。
(審議会の設置等)
第12条 教育委員会の附属機関として、審議会を置く。
2 審議会は、市長及び教育委員会の諮問に応じ、保存地区の保存等に関する重要事項について調査審議し、これらの事項について市長及び教育委員会に建議するものとする。
3 前2項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長又は教育委員会が別に定める。
(罰則)
第14条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(2) 第8条第1項の規定に基づく命令に違反した者
附則
(南さつま市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 南さつま市報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年南さつま市条例第33号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(令和元年9月26日条例第27号)
この条例は、公布の日から施行する。