○南さつま市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成30年3月20日

告示第79号

(趣旨)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号に基づく認知症施策推進事業における認知症初期集中支援推進事業について定めるものとする。

(目的)

第2条 この事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

(実施主体)

第3条 この事業の実施主体は、南さつま市とする。ただし、市長は適切な事業運営が確保できると認められる公益法人、医療法人、社会福祉法人又は特定非営利活動法人等に事業の全部又は一部を委託することができる。

(実施体制)

第4条 支援チームは、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

2 支援チームは、地域包括支援センター職員や市保健師、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症専門医、認知症疾患医療センター職員又は介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(認知症初期集中支援チーム員の構成)

第5条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、次の各号の要件をすべて満たす3名以上の専門職で編成する。

(1) 次の要件をすべて満たす者2名以上とする。

 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士、介護支援専門員又はこれらに準ずる者であり、かつ、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有すると市が認めたもの

 認知症ケアや在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者

 国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識・技能を修得した者。ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容を共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

(2) 日本老年精神医学会、若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医である医師1名とする。ただし、この条件に該当する医師の確保が困難な場合には、当分の間、以下の医師も認めることとする。

 日本老年精神医学界若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のあるもの

 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有するもの

(チーム員の役割)

第6条 前条第1号を満たす専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

2 前条第2号を満たす専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。

3 訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として2名以上で訪問する。

(訪問支援対象者)

第7条 訪問支援対象者は原則として40歳以上で、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる人又は認知症の人で、次のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者で以下のいずれかに該当するもの

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(事業内容)

第8条 事業内容は、次の各号に定める事項である。

(1) 支援チームに関する普及啓発

地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う等、各地域の実情に応じた取り組みを行うものとする。

(2) 認知症初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握については、支援チームが地域包括支援センター経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮することとし、チーム員が直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センターと情報共有を図るものとする。

 本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集すること。また、信頼性・妥当性の検証がされた観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行うこと。

 初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言等を行う。

 初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含めたチーム員会議を行う。

 医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の支援を行う。(訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6か月)

 認知症初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、地域包括支援センターの職員や担当介護支援専門員等と同伴訪問を行う等の方法で円滑に引き継ぎを行うこと。また、チーム員会議において、引継ぎの2か月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行うこと。なお、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類は5年間保管すること。

 訪問支援対象者の情報を地域包括支援センター等の関係機関が把握した場合には、認知症初期集中支援チームに情報を提供する等して情報共有を図り、事業実施する。

(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置

 市長は、医療、保健及び福祉に関わる関係者等から構成される認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置する。検討委員会は、既存の委員会等を活用することができるものとする。

 検討委員会は支援チームの設置や活動状況について検討し、関係機関、団体等と一体的に当該事業を推進していくための合意が得られる場となるよう努めるものとする。

(個人情報の保護)

第9条 チーム員は、本事業に関して知り得た個人情報その他の秘密事項については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の定めに従い他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(その他)

第10条 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、別に定める。

この要綱は、平成30年4月1日から施行する。

(令和5年3月31日告示第62号)

この告示は、令和5年4月1日から施行する。

南さつま市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成30年3月20日 告示第79号

(令和5年4月1日施行)