○南さつま市における外部の労働者等からの通報等への対応手続に関する要綱

令和4年5月31日

告示第146号

(目的)

第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)第13条第2項及び「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン(外部の労働者等からの通報)(令和4年6月1日消費者庁。以下「地方公共団体向けガイドライン」という。)の趣旨を踏まえて、南さつま市(以下「市」という。)において外部の労働者等からの法に基づく公益通報及びその他の法令違反等に関する通報等を適切に取り扱うため、これらの通報等への対応手続に関する事項を定めることにより、通報者等の保護を図るとともに、事業者の法令遵守等を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において「外部の労働者等」とは、次に掲げる者とする。

(1) 通報内容となる事実に関係する事業者に雇用されている労働者、当該事業者を派遣先とする派遣労働者及び当該事業者と契約関係にある事業者(以下「取引先事業者」という。)の労働者

(2) 通報内容となる事実に関係する事業者及び取引先事業者

(3) 通報内容となる事実に関係する事業者及び取引先事業者の役員

(4) 前3号に規定する者であった者

(5) 前4号に規定する者のほか通報内容となる事実に関係する事業者の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

2 この要綱において「通報」とは、公益通報者保護法に基づく通報対象事実又はその他の法令違反等が生じ、又はまさに生じようとしていると思料して、その旨を知らせることをいう。

3 この要綱において「相談」とは、通報制度等に関する相談をいい、「通報」及び「相談」を併せて「通報等」という。

4 この要綱において「通報者」とは、通報をした者をいい、「通報者等」とは、通報又は相談をした者をいう。

5 この要綱において「受付」とは、市に対してなされた通報又は相談を受けることをいう。

6 この要綱において「主管課」とは、通報内容となる事実に関する事務を所掌する課をいう。

7 この要綱において「通報者等を特定させる事項」とは、通報等をした者が誰であるかを排他的に認識することができる事項をいう。

8 この要綱において「不利益な取扱い」とは、通報等をしたことを理由とする市、市職員等、事業者又は事業者の役職員等からの懲戒処分その他の不利益な取扱いをいう。

(組織体制)

第3条 市に対してなされる通報等への対応に関する事務を総括するため、総括通報等責任者を置くこととし、総務企画部長をもって充てる。

2 総括通報等責任者は、通報等への対応に関する規程の整備、研修の実施、通報に関する調査の進捗等の管理その他通報等への適切な対応の確保に関する事務を総括する。

3 総括通報等責任者は、前項に規定する事務を通報等責任者に行わせることができるものとし、通報等責任者は主管課の課長をもって充てる。

(通報等責任者及び通報等担当者の業務等)

第4条 通報等責任者は、主管課において、通報に関する調査の進捗等の管理、職員が教育研修に参加する機会の確保その他通報等への適切な対応の確保に関する事務を掌理する。

2 通報等責任者は、主管課の職員の中から、通報等担当者を指定する。

3 通報等担当者は、通報等責任者を補佐し、主管課における通報等の管理通報者等との連絡その他通報等への対応に関する事務を担当する。

(通報・相談窓口)

第5条 市に対して外部の労働者等からなされる通報等を一元的に取り扱う窓口(以下「通報・相談窓口」という。)を総務課に置くこととし、総括通報等責任者がこれを総括する。

2 通報・相談窓口は、次に掲げる事務を取り扱う。

(1) 市に対してなされる通報等の受付に関すること。

(2) 通報者等との連絡調整に関すること。

(3) 主管課との連絡調整に関すること。

3 通報・相談窓口を経由せず、主管課に対して直接通報等があった場合、当該主管課は、当該通報を通報・相談窓口に取り次ぎ、通報・相談窓口は当該通報等を次条の通報等と同様に受け付ける等の対応をとる。

(受付の範囲及び取扱い)

第6条 市は、外部の労働者等からの次に掲げる事実についての通報を受け付ける。

(1) 公益通報者保護法に基づく通報対象事実

(2) 前号に定めるもののほか、法令に違反する行為に関する事実(当該違反行為について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関がある場合に限る。)

(3) 前2号に定めるもののほか、事業者の法令遵守等の確保及び法令等の適正な執行のために必要と認められるその他の事実

2 前項の規定により受け付けた通報の内容について、処分又は勧告等をする権限を他の行政機関が有するときは、市は、当該他の行政機関を通報者に対して遅滞なく教示する。

3 市は、通報等があったときは、法及び地方公共団体向けガイドラインの趣旨を踏まえ、誠実かつ公正に通報等に対応し、正当な理由なく通報等の受付を拒んではならない。

4 市は、匿名による通報等についても、実名による通報等と同様の取扱いを行う。

(受付手続)

第7条 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、通報等に関する秘密保持(個人情報以外の通報者等を特定させる事項の保秘を含む。以下同じ。)及び個人情報の保護に留意しつつ、通報等への対応に必要な事項を通報者等に確認し、通報相談内容記録表(第1号様式)に記録する。ただし、通報者等の同意が得られない事項その他確認に支障がある事項については、この限りでない。

2 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、次に掲げる事項を通報者等に説明する。ただし、通報者等が望まない場合、匿名による通報等であるため通報者等への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りでない(以下、本条第3項第11条第3項及び第12条第2項に規定する通知、次条第1項第2号に規定する教示、並びに第10条第1項に規定する教示及び資料の提供においても、同様とする。)

(1) 通報等への対応に関与する職員には秘密保持義務があり、通報者等を特定させる事項その他通報等に係る情報の共有は制限されるなど、通報等に関する秘密は保持されること。

(2) 個人情報は保護されること。

(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。

3 前2項において、書面、電子メール等、通報者等が通報等の到着を確認できない方法によって通報等がなされた場合には、通報等の到着を確認次第、通報等を受領した旨を通報者等に対して遅滞なく通知するよう努める。

(受付時の対応)

第8条 通報・相談窓口は、通報を受け付けたときは、その内容により次の各号のいずれかの措置をとる。

(1) 調査の実施に当たり必要があるときは、適切な主管課に通報を取り次ぎ、主管課は責任をもって調査に当たること。

(2) 市ではなく他の行政機関が通報内容について処分又は勧告等をする権限を有する場合において、当該他の行政機関を通報者に対して遅滞なく教示することを含め、適切な措置をとること。

2 前項第2号の場合において、通報者からの通報に、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれている場合には、通報に関する秘密保持に留意しつつ、個人情報の保護に関する法令等も踏まえ、当該他の行政機関に当該内容について情報提供をする。

(受付後の手続)

第9条 主管課は、法及び地方公共団体向けガイドラインの趣旨及び関係する法令等の規定を踏まえ、次の各号のいずれかに該当する場合には、正当な理由がある場合を除き、通報に関して調査を実施する。

(1) 外部の労働者等が、第6条第1項各号に掲げる事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を当該事実について処分又は勧告等をする権限を有する市に対し、次に掲げる要件のいずれかを満たして通報する場合

 当該事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があること(以下「真実相当性の要件」という。)

 当該事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、かつ、次に掲げる事項を記載した書面を提出すること。

(ア) 通報者の氏名又は名称及び住所又は居所

(イ) 当該事実の内容

(ウ) 当該事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由

(エ) 当該事実について法令に基づく措置その他適切な措置がとられるべきと思料する理由

(2) 通報が真実相当性の要件を満たしているかどうかが直ちに明らかでない場合においても、法第3条第1項第2号の趣旨も踏まえ、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性が認められる場合

2 主管課は、調査を実施する場合はその旨(第3項の期間を設定した場合にはその期間を含む。)を、調査を実施しない場合(情報提供として受け付けることを含む。)はその旨及びその理由を、通報・相談窓口に回答する。

3 主管課は、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定するよう努める。

4 第2項の回答を受けた通報・相談窓口は、公益通報又はそれに準ずる通報等として調査を実施するときはその旨を、調査をしない場合はその旨を、通報者に対し、通報調査通知書(第2号様式)により、遅滞なく通知する。

(教示)

第10条 他の行政機関が処分又は勧告等をする権限を有することが明らかになった場合は、主管課は、当該他の行政機関を、通報者に対して遅滞なく教示しなければならない。この場合において、当該主管課は、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、当該通報に係る資料を通報者に提供する。

2 主管課は、前項前段の場合において、通報に個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれている場合には、通報に関する秘密保持に留意しつつ、個人情報の保護に関する法令等に従い、当該他の行政機関に当該内容について情報提供をする。

(調査の実施)

第11条 主管課は、通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者が調査等の対象となる事業者及びその関係者に特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を実施し、主要な内容及び経過について通報処理整理票(第3号様式)に記録するものとする。

2 総括通報等責任者及び通報等責任者は、前項に規定する調査の実施について、その方法、内容等の適正性を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、調査について適宜確認を行う等の方法により、通報事案を適切に管理する。

3 主管課は、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合を除き、調査の進捗状況を通報者に対し、適宜通知するとともに、調査結果を可及的速やかに取りまとめ、通報調査結果報告書(第4号様式)により、その結果を遅滞なく通知する。

(調査結果に基づく措置)

第12条 主管課は、調査の結果、第6条第1項各号に掲げる事実があると認めるときは、速やかに法令に基づく措置その他適切な措置をとらなければならない。

2 主管課は、前項の措置をとった場合には、その内容を、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者に対し、是正措置等報告書(第5号様式)により、遅滞なく通知する。

(台帳の作成)

第13条 主管課等は、調査した公益通報ごとに処理の内容及び主要な進捗状況を通報管理台帳(第6号様式)に記録し、処理終了後、総務課に連絡するものとする。

(協力義務等)

第14条 市は、公益通報者保護法に基づく通報対象事実又はその他の法令等に違反する事実に関し、処分又は勧告等をする権限を有する行政機関が市の他にもある場合においては、当該行政機関と連携して調査を行い、措置をとる等、相互に緊密に連絡し協力する。

(秘密保持及び個人情報保護の徹底)

第15条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて、通報等に関する秘密を知り得た者を含む。以下同じ。)は、通報等に関する秘密を漏らしてはならない。

2 通報等への対応に関与した職員は、当該対応手続において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

3 通報等への対応に関与した職員は、通報等に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため、通報等への対応の各段階(通報等の受付、教示、調査、措置及び通報者等への結果の通知の各段階をいう。以下同じ。)及び通報等への対応終了後において、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。

(2) 通報者等を特定させる事項については、調査等の対象となる事業者及びその関係者に対して開示しないこと(通報対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)

(3) 通報者等を特定させる事項を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面、電子メール等による明示の同意を取得すること。

(4) 前号に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に説明すること。

4 主管課における通報等への対応に際する秘密保持及び個人情報の保護に関しては、前3項に定めるもののほか、個人情報の保護に関する法令等に従う。

(利益相反関係の排除)

第16条 職員は、次の各号のいずれかに該当する場合、通報への対応に関与してはならない。

(1) 法令違反行為等の発覚や調査の結果により実質的に不利益を受ける者

(2) 通報者又は被通報者と親族関係にある者

(3) 通報に係る事案に関する公正な調査や措置等の検討又は実施を阻害し得る者

2 通報・相談窓口の担当職員は、自らが前項各号のいずれかに該当する通報を受け付けた場合、他の職員に引き継ぐ。

3 通報等担当者は、通報に係る事案の調査又は措置等の検討若しくは実行等の通報への対応の各業務に着手する時点で、第1項各号のいずれにも該当しないことを確認し、そのいずれかに該当する場合、通報等責任者に報告する。

4 前項の報告を受けた通報等責任者は、前項の報告をした者を当該通報に関与させてはならない。

5 市は、第3項の報告を怠った者に対し、懲戒処分その他の適切な措置をとる。

6 通報等責任者は、通報への対応の各段階において、通報への対応に関与する者が当該通報に利益相反関係を有していないか確認する。

(通報者等の保護)

第17条 市は、第15条の規定に正当な理由なく違反した職員に対しては、懲戒処分その他の適切な措置をとる。

2 主管課は、通報等への対応が終了するまでの間、必要に応じて、通報者等が不利益な取扱いを受けていないか確認する。

3 市は、通報対応の終了後においても、通報者からの相談等に適切に対応するとともに、通報者等が通報等をしたことを理由として、事業者から解雇その他不利益な取扱いを受けていることが明らかになった場合には、消費者庁の公益通報者保護制度相談ダイヤル(一元的相談窓口)、各都道府県労働局等を紹介するなど、通報者等の保護に係る必要なフォローアップを行うよう努める。

(意見又は苦情への対応)

第18条 通報・相談窓口は、市における通報等への対応に関して通報者等から意見又は苦情の申出を受けたときは、迅速かつ適切に対応するよう努める。

2 前項の申出の内容が通報等に関する秘密及び個人情報の漏洩、通報に関する調査及び措置の遅滞並びに不適切な調査の実施その他市の不適切な対応に関するものである場合には、通報・相談窓口は総括通報等責任者に報告する。当該報告を受けた総括通報等責任者は、速やかに通報・相談窓口及び当該通報等を取り扱う主管課における対応状況を確認し、法令に基づく措置その他適切な措置等をとった上で、その結果を通報・相談窓口から通報者等に通知させる。

(通報等の関連文書の管理)

第19条 通報等への対応に係る記録及び関係資料については、南さつま市文書規程(平成17年南さつま市訓令第8号)等に基づき適切な方法で管理しなければならない。

(通報への適切な対応の推進に関する事務)

第20条 総括通報等責任者は、市における通報等への適切な対応を推進するため、通報等への対応に関する規程を整備するほか、法及び地方公共団体向けガイドライン並びに当該規程の内容等について、市長その他市幹部職員、通報等責任者、通報等担当者その他の職員に対する定期的な研修、説明会の実施その他適切な方法により、十分に周知する。

(事業者及び労働者等への周知)

第21条 市は、事業者及び労働者等に対する広報の実施、説明会の開催その他適切な方法により、法、「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(令和3年8月20日内閣府告示第118号)及び「公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」(令和3年10月13日消費者庁)の内容、市における通報・相談窓口、通報対応の仕組み等について、周知するよう努める。

(市における通報体制の運用状況等の評価及び改善)

第22条 市における通報体制の運用状況等についての透明性を高めるとともに、客観的な評価を行うことを可能とするため、市は、通報体制の運用状況等に関する事項を各年度の終了後、速やかに公表する。ただし、当該情報を公表することにより、通報に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じる場合においては、個々の通報事案ごとに、その全部又は一部を非公表とすることができる。

2 市は、通報体制の運用状況等について、定期的に評価及び点検を行うとともに、他の行政機関による先進的な取組事例等を参考として、通報対応の仕組みを継続的に改善するよう努める。

(他の法令等との関係)

第23条 この要綱で定める通報等への対応手続については、他の法令及び適用される条例、規則その他の規程等に特別の定めがある場合又はこれに基づく運用がある場合を除くほか、この要綱の定めるところによる。

この要綱は、令和4年6月1日から施行する。

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南さつま市における外部の労働者等からの通報等への対応手続に関する要綱

令和4年5月31日 告示第146号

(令和4年6月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第1節 通則・組織
沿革情報
令和4年5月31日 告示第146号