○南さつま市火災調査実施要綱

平成25年4月1日

消防本部訓令第23号

(趣旨)

第1条 この要綱は、南さつま市火災調査規程(平成25年南さつま市消防本部訓令第22号。以下「調査規程」という。)に基づく火災調査の適正な事務処理を図るため必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、使用する用語の意義は、調査規程第3条に定めるもののほか、次項から第4項までに定めるところによる。

2 出火場所等に関する用語は、次のとおりとする。

(1) 出火場所 火災が発生した場所をいう。ただし、車両火災、船舶火災及び航空機火災については、その火災を主として防御した場所とする。

(2) 出火箇所 火災が発生したと認定され、又は推定される箇所をいう。

(3) 出火点 発火源が着火物に着火し、火災になった地点をいう。

3 焼損結果に関する用語は、次のとおりとする。

(1) 焼失 火熱によって建築物、収容物又は車両等の効用が失われたもの又は形状が破壊されてその価値が全くなくなったものをいう。

(2) 焼損 焼失程度に至らなかったもので、火熱によって建築物、収容物又は車両等の一部が破損し、修理を要するもの又は修理を要しなくても使用上支障はないが、原形あるいは美観を損ねたものをいう。

(3) 炭化 木材等の固体が火熱により熱分解して気体を発生し、同時に固体の炭素を表面に残す現象をいう。

4 火災原因の認定に関する用語は、次のとおりとする。

(1) 断定 各資料の証明力を総合することにより全く疑う余地がなく、極めて具体的かつ科学的にその原因が決定されるものをいう。

(2) 判定 各資料の証明力を総合することのみでは具体的又は科学的にその原因を断定することはできないが、当該資料を基礎として専門的立場からみて、合理的にその原因が判断できるものをいう。

(3) 推定 各資料の証明力のみによっては、その原因を直接判定することはできないが、当該資料を基礎として専門的立場からみて、合理的にその原因が推測できるものをいう。

(4) 不明 原因を決定するための資料が全くないとき又は若干の資料はあってもそれらの資料の証明力が極めて少なく、専門的立場からみても原因が合理的に判断できないものをいう。

5 火災原因の認定の基準は、次の各号に掲げる認定の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項とする。

(1) 断定 焼き状況から出火点明確

物的立証

人的立証

他の火源否定可能

(2) 判定 焼き状況から出火点明確

物的立証

人的やや不明確

他の火源否定可能

(3) 推定 焼き状況から出火点おおむね明確

物的不明確

人的立証

他の火源否定おおむね可能

(4) 不明 焼き状況から出火点おおむね明確又は不明確

物的不明確

人的不明確

他の火源不明確

(出火者)

第3条 出火者とは、火災を発生させた者又は火災の発生に直接関係のある者をいう。

2 児童(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条に規定する「児童」をいう。以下同じ。)の取扱いについては、次による。

(1) 児童の行為による場合は、出火者の氏名は記入するが、火災調査書類等の開示に際しては、その氏名が公にならないように配慮すること。

(2) 児童が関係する火災の情報を報道機関から求められた場合は、その者の氏名を告げ、又はその者を推知させるような方法を用いてはならない。

3 児童に関わる火災原因の処理

(1) 乳児及び幼児の行為によるものは、いずれの場合も火遊びとして処理する。

(2) 少年の行為で放火としての動機が明確なものは、放火として処理する。また、調査結果から総合的に判断して、放火要素が濃厚であると認定されるときは、放火の疑いとして処理する。

(3) 火遊びの年齢上限は、おおむね満13歳とする。ただし、知的障害者の場合にあっては、当該年齢によらない。

(職業)

第4条 職業とは、日常において従事する業務をいい、生計を立てるための仕事及び家業をいうものとする。この場合において、2つ以上の種類の異なった仕事をしている者は、過去1年間の当該仕事から得た収入の多い方の仕事をもって職業とする。

(住所)

第5条 住所とは、家族や家財の所在するところとし、これらの物を他所に置いたまま出稼ぎのため居住する所は、居所であって住所とはしない。ただし、寮又は寄宿舎に居住する独身者は、これらの所在する場所を住所とする。

(書類の作成)

第6条 調査規程第31条に掲げる書類は、次に定める区分に応じて、別表のとおり作成するものとする。ただし、危険物火災等の特異な火災で、消防長が特に必要があると認める場合は、この限りでない。

(1) 1号調査 次号に掲げる火災以外の火災及び死者が発生した火災

(2) 2号調査 火災原因が明らかな火災のうち次に掲げる火災

 建物火災 焼損程度が部分焼又はぼやのもの(出火原因が放火又は放火の疑いのあるものを除く。)

 林野火災 焼損面積が10ヘクタール未満のもの

 車両火災

 船舶火災

 その他の火災

(質問調査権)

第7条 調査規程第11条第4項の規定に基づき、被質問者に署名を求めるときは、質問調査書の末尾に次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を記載するものとする。

(1) 被質問者が署名した場合

 署名年月日

 被質問者の氏名

 質問調査書の内容の読み聞かせを行った結果、誤りがなく、被質問者が署名した旨の記載

(2) 被質問者が署名を拒否した場合 質問調査書の内容の読み聞かせを行った結果、誤りがなかったが、被質問者が署名を拒否した旨の記載

(火災として取扱う爆発現象)

第8条 火災として取扱う爆発現象は、次に掲げるものとする。

(1) スプレー、ガス及び火薬等の化学的変化による爆発現象(以下「爆発現象」という。)で、焼損物件があるもの

(2) 爆発現象で、焼損物件はなくても破損物件があるもの

(破裂事故)

第9条 物理的破裂による物件等の損壊事故は、火災として取り扱わないものとする。

(施行期日)

1 この訓令は、平成25年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の日の前日までに、解散前の南薩地区消防組合火災調査実施要領(平成19年南薩地区消防組合告示第11号)の規定によりなされた調査、手続その他の行為は、それぞれこの訓令の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成28年3月23日消本訓令第10号)

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(令和6年6月28日消本訓令第3号)

この訓令は、令和6年7月1日から施行する。

別表(第6条関係)

番号

書類名等

1号調査

2号調査

1

火災調査書

2

火災原因判定書

3

火災状況見分調査書

4

実況見分調査書

付近見取り図

現場詳細図

建物平面図(各階)

出火室の平面図

出火箇所の平面図(詳細図)

出火箇所の立面図(パース図)

写真

5

質問調査書

6

損害査定書

7

死者の調査書(死者のある場合)

×

8

負傷者の調査書(負傷者のある場合)

9

火災原因決定に関わる決定資料

10

その他参考資料

備考

1 ○:作成 △:必要により作成 ×:不要

2 番号は編冊順を示す。

南さつま市火災調査実施要綱

平成25年4月1日 消防本部訓令第23号

(令和6年7月1日施行)

体系情報
第11編 防/第1章 消防本部・消防署
沿革情報
平成25年4月1日 消防本部訓令第23号
平成28年3月23日 消防本部訓令第10号
令和6年6月28日 消防本部訓令第3号