有機・自然農法について

南さつま市有機農業実施計画

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1.市区町村

南さつま市

2.計画対象期間

令和5年~令和9年

3.対象市区町村における有機農業の現状と5年後に目指す目標

ア 有機農業の現状

 南さつま市は鹿児島県(薩摩半島)の南西部にあり、中心都市鹿児島市から車で50分程度の場所に位置しています。三方を東シナ海に囲まれ、南西部の海岸線は変化に富んだリアス式海岸、北西部の海岸線は砂丘地帯を形成し、日本三大砂丘の一つ「吹上浜」を有しています。
 農産物としては「かごしまブランド産品」に指定されている『加世田のかぼちゃ』、『南さつまのハウスきんかん』や『南さつまのたんかん』、超早場米『金峰コシヒカリ』、ぽんかん等の果樹類、砂丘地帯における『砂丘らっきょう』、促成ピーマン・ぶどう・メロン等の施設園芸、根深ねぎや葉たばこの生産も盛んです。中山間地域では温州みかん・茶等の生産団地を形成し、畜産部門では肥育牛・養豚・ブロイラー・採卵鶏などの振興を図っています。
 こうした中、本市では平成26年度から「有機JAS取得時の認定手数料助成」や平成27年度から「自然農法体験学校『ありのまま分校』」を開催しており、有機農業をはじめとした自然循環型農業の促進を積極的に進めています。自然農法体験学校『ありのまま分校』の参加者増加と共に地域内での理解者も少しずつ増えてきています。
 有機農家は令和3年度において15名、有機栽培面積は約22.65haで、茶が最も多く栽培されています。有機農家や南さつま市学校給食センターと連携し、令和2年度から市内小学校において有機農家による食育授業を実施しています。
 有機農業の推進における課題は、新たな生産者の確保とその生産者の収益の安定化であると考えます。対策としては、既存農家による研修生受け入れ体制の強化、付加価値を高める加工知識の共有、そして共同販売の実施により、販売の安定化を図りながら有機農業の普及促進を目指す方針です。

イ 5年後に目指す目標

取組内容 令和2年度 令和9年度
有機農業の面積拡大 6.8ha 9.4ha
有機農産物販売量の拡大 70㎏ 2,500㎏
有機農業者の増加 15人 16人

3.取組内容

ア 有機農業の生産段階の推進の取組

 有機農業研修圃場の設置

 本市唯一の農業学校である鹿児島県立加世田常潤高等学校(以下、「常潤高校」と記載する。)の圃場の一部を有機農業の研修圃場として借り、担い手の育成に努めていくものです。圃場の管理については有機農家の集まりであり、現在研修生を受け入れている自然農法・オーガニック野菜推進委員会に委託をしています。常潤高校の学生に研修生の受け入れ状況や南薩地域振興局との実証実験の内容を身近に見て、自身が就農をした際の具体的なイメージを持ってもらい、未来の農業人口を増やす取組も含まれています。

 スマート農業への理解促進

 本市は中山間地域であり傾斜の厳しい場所もあるため、リモコン除草機の情報や全国で導入が始まっている水田除草用ロボットなどの情報を関係機関と共有し、必要に応じ導入を進めていきます。

 インターンシップ受入

 常潤高校の学生をインターンシップで受け入れることで有機農業の現状を見てもらい、今後の就農・就業に役立ててもらうことで面積拡大の取組を行います。
 また、県外からの有機農業に興味のある方も短期研修で積極的に受け入れ、本市の人・環境・風土等の魅力を知ってもらうことで就農を促進する取組を行います。

イ 有機農業で生産された農産物の流通、加工、消費等の取組

 加工の基本的知識の獲得

 有機農業で就農予定の研修生を対象に、有機農業の生産技術及び農産物加工の基本的な知識の習得を目的に研修に参加してもらいます。研修中に基本的な知識を得ることで、就農後に規格外の野菜の加工、付加価値を付けたうえで販売するなどの取組に繋げます。

 加工品の試作

 学校給食でよく使われる人参・じゃがいも・玉ねぎを中心に有機農家に生産してもらう予定ですが、規格外の野菜を廃棄するのではなく、農家の収益に繋げる仕組みを作っていく必要があります。そのため、人参等の規格外品を地域の加工組合と連携しながら加工品の開発に取り組みます。

 学校給食への納入

 南さつま市学校給食センター等において有機農産物の利用を拡大してもらうために、有機農産物のみを利用した際の補助を取組としてを行います。給食センター等と協力し市内小中学校の児童・生徒に対して有機農業を知ってもらうため12月を南さつま市有機野菜強化月間に設定しました。

 消費関連の取組

・学校給食に納入を行っている有機農家の農産物に掲載する為のロゴを作成し、理解促進に努めます。

・有機農業の理解促進のために、市内イベントへ積極的に参加し、有機農産物への周知や消費拡大に努めます。

・市内の学校法人希望が丘学園鳳凰高等学校と協力し、農医連携の推進に努めます。

・料理教室などを実施し、あまり利用しない有機農産物を家庭で消費するための取組を行います。

4.取組の推進体制

ア 実施体制図

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イ 関係者の役割

南さつま市...有機農業実施計画の実施に必要な事務、支援

自然農法・オーガニック野菜推進委員会...就農希望者の受入、野菜の加工、学校給食への有機農産物納入

南薩地域振興局...技術指導

加世田常潤高校...圃場の借用、学生と農家の交流(有機農業の理解促進)

MOA商事...販売協力、加工業者との橋渡し

鳳凰高校...有機農業の理解促進

給食センター...給食への有機農産物の利用拡大、有機農業の理解促進の協力

5.資金計画

資金計画 (PDF形式)

6.本事業以外の関連事業の概要

○有機JAS認定手数料助成

南さつま市在住で市内に圃場を持っている有機農家に対して5年間手数料の助成

○自然農法体験学校「ありのまま分校」の開催

約1年間をかけて植付、収穫、加工などを勉強する市民参加型のイベントの実施

○南さつま市新規就農者就農研修支援

南さつま市内での就農を目指す研修生を先進農家のもとで研修を実施する際の支援

7 みどりの食料システム法に基づく有機農業の推進方針について

鹿児島県と共同で基本計画を作成し、計画に沿って推進を行います。

8 その他

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問い合わせ先
産業おこし部 農林振興課 生産流通係
電話 0993-76-1603