意見書等
番号等 | 件 名 | 議決年月日 | 議決結果 |
意見書案 第3号 |
日米地位協定の見直しを求める意見書 | 令和7年9月29日 | 原案可決 |
意見書案 第4号 |
地方財政の充実・強化を求める意見書 | 令和7年9月29日 | 原案可決 |
日米地位協定の見直しを求める意見書
【提出先】衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、外務大臣、防衛大臣、国土交通大臣、内閣官房長官
在日米軍の地位や施設・区域の使用について定めた条約である日米地位協定は、1960年に日米間で締結されて以降、一度も改定されていません。
1995年9月に沖縄本島北部で発生した少女暴行事件を契機に日米地位協定の問題点が明らかになり、同年11月に沖縄県は協定の見直し要請を日米両政府に初めて行いました。2018年7月及び2020年11月には、全国知事会が「米軍基地負担に関する提言」を決議しています。提言では、「日米地位協定を抜本的に見直し、米軍機の飛行について最低安全高度を定める航空法令や航空機騒音の環境基準を定める環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させること、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること」などが明記されています。
日本各地では低空飛行が目撃されており、鹿児島県内においても米軍機の可能性がありと国も認めた目撃情報は、直近の2023年度には200件、2024年度には251件に及んでいます。
2023年11月に発生した屋久島沖でのCV22オスプレイの墜落事故や沖縄での米軍機の相次ぐ墜落事故では、日本の政府や警察、消防による立入調査ができていないことから、これまでの日米地位協定の運用面での改善ではなく、全国知事会の提言に沿った協定の見直しがなされることで、日本と米国が対等な立場で互いに主権を認め合うことにつながります。
したがって、国におかれては、国民の生命・財産と人権・環境を守る立場から、日米地位協定を見直されるよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出します。
令和7年9月29日
鹿児島県南さつま市議会
地方財政の充実・強化を求める意見書
【提出先】衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣、デジタル大臣、内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、共生・共助)
いま、地方公共団体には、急激な少子・高齢化に伴う社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下における地域活性化対策はもとより、DXの推進、脱炭素化、物価高騰対策など、極めて多岐にわたる新たな役割が求められています。加えて、多発化する大規模災害への対応や新興感染症への備えも求められる中、地域公共サービスを担う人員は圧倒的に不足しており、職場における疲弊感は日々深刻化しています。
政府はこれまで「骨太方針」に基づき、地方一般財源の前年度水準を確保する姿勢を示してきました。しかし、増大する行政需要、また不足する人員体制に鑑みれば、今後はより積極的な財源確保が求められます。
このため、2026年度政府予算、また地方財政の検討にあたっては、現行の地方一般財源水準確保より積極的に踏みだし、社会全体として求められている賃上げ基調にも相応する人件費の確保を含めた地方財政を実現するよう、以下の事項を求めます。
記
1 社会保障の充実、地域活性化、自治体DX、脱炭素化、物価高騰対策、防災・減災、地域公共交通の再構築など、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握するとともに、それを支える人件費を重視しつつ、現行の水準にとどまらない、より積極的な地方財源の確保・充実を図ること。
2 子育て対策、地域医療の確保、介護や生活困窮者の自立支援など、より高まりつつある社会保障ニーズが自治体の一般行政経費を圧迫していることから、引き続き、地方単独事業分も含めた、十分な社会保障経費の拡充を図ること。特に、これらの分野を支える人材確保に向けた自治体の取組を十分に支える財政措置を講じること。
3 地方交付税の法定率を引き上げるなどし、引き続き臨時財政対策債に頼らない、より自律的な地方財政の確立に取り組むこと。また、地域間の財源偏在性の是正に向けては、所得税や偏在性がより小さい消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、より抜本的な改善を行うこと。
4 政府として減税政策を検討する際は、地方財政を棄損することがないよう、あらかじめ「国と地方の協議の場」を活用するなどし、特段の配慮を行うとともに、地方財政への影響が想定される場合は、確実にその補填を行うこと。
5 「地方創生推進費」として確保されている1兆円については、現行の財政需要において不可欠な規模であることから、恒久的財源としてより明確に位置付けること。また、その一部において導入されている行革努力や取組の成果に応じた算定方法は、標準的な行政水準を保障するという地方交付税制度の趣旨に反することから、今後採用しないこと。
6 会計年度任用職員においては2024年度から勤勉手当の支給が可能となったものの、今後も当該職員の処遇改善や雇用確保が求められることから、引き続き、その財政需要を十分に満たすこと。
7 自治体業務システムの標準化・共通化に向けては、その移行に係る経費はもとより、移行の影響を受けるシステムの改修経費や大幅な増額が見込まれるシステム運用経費まで含め、必要な財源を補填すること。また、戸籍等への記載事項における「氏名の振り仮名」の追加やマイナンバーカードと健康保険証・運転免許証の一体化など、自治体DXに伴うシステム改修や事務負担、人件費の増大が想定される際は、十分な財政支援を行うこと。
8 地域の活性化に向けて、その存在意義が改めて重視されている地域公共交通について、公共交通専任担当者の確保を支援するとともに、こども・子育て政策と同様、普通交付税の個別算定項目に位置付け、一層の施策充実を図ること。
9 人口減少に直面する小規模自治体を支援するため、段階補正を拡充するなど、地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化を図ること。
10 自治体の行う事業において、労務費の適切な価格転嫁が果たされるよう、必要な財政支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出します。
令和7年9月29日
鹿児島県南さつま市議会