令和2年6月議会において、次のとおり報告いたしました。
先の定例市議会以後、これまでの諸般の経過、当面する市政の諸課題について、ご説明申し上げます。
国民生活や経済活動に甚大な影響を及ぼす事態となりました、新型コロナウイルス感染症への対応等についてご報告させていただきます。
まずは、感染症の発生が国内で報告されて以来、市民の皆様には、不要不急の外出自粛をはじめ、学校の臨時休業や公共施設の休館、市主催イベント等の中止など、感染拡大防止に向けた取組をお願いしてまいりました。
また、多くの皆様からマスク等の寄贈などをいただいており、改めて皆様のご理解とご協力に心から感謝申し上げます。
本市におきましては、私を本部長とする「南さつま市新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、情報の収集と提供を迅速に行う体制を整え、関係機関との連携を図るとともに、かけがえのない命を守ることを第一に、予防対策の強化と注意喚起・周知徹底を図ってまいりました。
国において、感染症による家計への影響を支援するため、一人当たり10万円を給付する、特別定額給付金につきましては、申請受付を5月13日から開始し、申請に必要な書類のコピーは、各地区公民館や各支所等にコピー機30台を設置し、市民の皆様の負担軽減に努めたところであります。
この給付金につきましては、新たに専門のプロジェクトチームを組織し、第1回目の振り込みを5月22日に行い、本日付けで、全体の92.1パーセントを支払っております。
なお、申請期限が8月12日となっておりますので、手続漏れのないよう周知に努めてまいります。
教育現場における健康・安全の確立につきましては、3月2日から22日まで、4月23日から5月6日までの延べ35日間、市内小中義務教育学校を臨時休業としました。
そのため、卒業式、入学式につきましては、在校生、来賓が出席しないなど規模を縮小して実施しました。
また、学校では、自宅で学習できる課題帳の作成や、保護者が自宅で監護できない特別支援学級と4年生以下の子どもたちを預かる取組等も実施してきたところであります。
今後、学校行事の精選や教育課程の組替えなどを工夫し、学習の遅れを取り戻すために授業時間の確保に努めてまいります。
なお、「新しい生活様式」を踏まえ、オンライン学習をはじめとする教育分野のICT化の取組をより一層、積極的に進めてまいります。
令和元年度のふるさと納税寄附金の実績につきましては、昨年度比2.07倍の約25万4千件、約46億4,400万円、返礼品としては、約37万5千件を全国へ発送し、返礼品事業者への支払額は、約13億8,400万円になりました。
また、ふるさと納税制度の法改正に伴い9月までの指定を受けたところですが、10月以降の再指定に向け7月に再申請を行う計画であります。
今後も関係機関、返礼品提供事業者と更なる連携を深め、返礼品の内容充実を進め、財源の確保、地域特産品の振興を図ってまいります。
農畜産物の生産振興につきましては、5月1日に、市とスターゼンミートプロセッサー株式会社が出資した、第3セクターの株式会社南さつま食肉流通センターが設立されました。
また、6月8日付けで、県知事からと畜場の開設許可、農林水産大臣からは、肉用牛売却所得の課税特例措置の市場認定を受けたことに伴い、南さつま市食肉センターを廃止し、新会社に牛のと畜業務を移行しました。
なお、新会社は、令和2年8月から12月にかけて施設改修を行った上で、課題となっていた施設の老朽化や海外輸出対応、と畜場のハサップ義務化に対応した安心・安全な食肉供給体制を確立しながら、本市の畜産振興及び雇用の確保を図ることとしております。
水産基盤の強化につきましては、4月1日、県内の6漁協(南さつま漁業協同組合、串木野島(しま)平(びら)漁協、喜入町漁協、錦海漁協、福山町漁協、おおすみ岬漁協)の合併により、鹿児島県漁業協同組合が発足いたしました。
なお、鹿児島県漁業協同組合では5年後の令和7年度をめどに県内1漁協体制を目指し、更なる合併を推進することとしております。
長屋山の加世田航空路監視レーダーにつきましては、平成18年度に更新が行われた既設の装置老朽化に伴うレーダー装置障害により、航空交通への多大な支障を与えることが懸念されることから、令和2年6月15日から令和4年3月31日まで更新工事が行われます。
この工事により、長屋山自然公園の利用が一部制限されるため、「お知らせ版5月号」において市民へも周知を行ったところであります。
子育て支援サービスの充実につきましては、4月1日、子育て世代包括支援センター「みなみらい」を開設しました。
妊産婦から18歳までの子どもとその保護者を対象として母子保健や子育てに関する相談や事業を実施し、安心して子育てができる環境を整えてまいります。
消防施設・体制の強化につきましては、コロナ禍の影響を受け、見合わせておりました第2回南さつま市消防体制あり方検討委員会を6月5日に開催し、南さつま市内の各消防署所、南九州消防署及び指宿市の南薩3市消防指令センターの視察研修を行いました。
今後は、様々な視点から協議がなされ、秋ごろまでには、答申される予定であります。
防災対策の充実等につきましては、梅雨時期を前に地域ごとの災害危険箇所等の点検を4月に実施するとともに、5月21日には、消防や警察、県の関係者の参加を得て、市内の危険箇所等の防災点検を実施しました。
また、避難所開設については、新型コロナウイルス感染症対策に配慮した運営を図ってまいります。
文化財の保護につきましては、昭和53年に国史跡指定の答申を受けて以降、令和元年まで未告示案件として懸案事項でありました阿多貝塚は、令和2年3月24日付で、国指定史跡として官報告示され、未告示が解消されました。
今後は、生きた教材としての活用を目指すとともに、広く市民への周知を図ってまいります。
和楽苑の民営化につきましては、民営化基本方針に基づき、実施計画書を策定し、6月4日に、坊泊地区公民館において、坊津地域の公民館長、自治会長、行政嘱託員、民生委員児童委員の皆さんに説明したところであります。
笠沙恵比寿の譲渡公募につきましては、民間事業経営のノウハウや発想を活かした施設運営と地域活性化の拠点施設として資するため土地及び建物等を譲渡することを目的として6月から公募を開始し、7月1日から受付けてまいります。
(仮称)南薩地区新クリーンセンターの整備につきましては、新型コロナウイルスの影響により、事業者の在宅勤務等も重なり、入札事業者選定期限を令和2年9月から令和3年2月へ5ヶ月間延長することになりました。
かごしま国体につきましては、県知事が、先の県議会において通常開催を断念する考えを示しており、今後について、共催者である日本スポーツ協会、スポーツ庁等と連携しながら、調整を行っているところであり、引き続きその動向を注視してまいります。
令和2年5月の政府月例経済報告では、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある。」とされております。
先行きにつきましては、「感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれており、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。」とも付け加えております。
これまで、本市におきましては、市内経済の安定化を図るため、中小の商工業者や農林漁業従事者を対象とした事業継続支援給付金事業や宿泊事業者等支援給付金事業、市内飲食店での飲食サービスに特化したプレミアム率100パーセントのコロナに負けるな!飲食店2億円ジャンボ商品券事業など予算措置を講じてまいりました。
また、国においては、店舗の賃料の支援や企業の財務基盤の強化など追加の対策を実行するための今年度の第2次補正予算案の成立を目指しているところであります。
このようなことを踏まえ、本市におきましても、市内経済活性化に取り組むため、引き続き地域に応じた事業を積極的に展開してまいります。
このウイルスとの闘いでは、治療薬の開発も進められておりますが、報道等による専門家の意見によると、長期戦を覚悟しなければならないともされており、今後は持続的な感染拡大防止策と社会経済の両立が重要になると考えております。
これから、新たな局面(フェーズ)を迎えることとなりますが、市民の皆様の健康で安心安全な生活を守るため、私自身が先頭に立ち、様々な対策を実行してまいりますので市議会をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりますが、この難局を乗り越えて、一日も早い終息を迎え、皆様が平穏な生活を取り戻せることを願っております。
以上で、諸般の経過、当面する市政の諸課題についての説明を終わります。