令和4年9月議会 諸般の経過及び当面する市政の諸課題について

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令和4年9月議会において、次のとおり報告いたしました。

 先の定例市議会以後、これまでの諸般の経過、当面する市政の諸課題について、ご説明申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、より感染が広がりやすいとされるオミクロン株の派生型への置き換わりが一層進んできたことや、ワクチンの3回目接種から一定の期間が経過した方の感染予防効果が減少してきているなどの影響により、7月以降全国的に爆発的な感染拡大状況が続いております。

 県においても、「BA.5対策強化宣言」発令以降も新規感染者数は、極めて高い水準で推移していることから、本日の知事定例記者会見において「同宣言」を9月30日まで延長する予定であることを伺っているところであります。

 本市においては、国・県同様、7月以降急激に増加し、7月24日の週には、前週の2倍を超える状況となり、爆発的な感染拡大が継続していたことから、私が、防災無線放送を通じて、市民の皆様方へ「家族を守るため、大切な人を守るため」より一層の感染予防に努めていただくようお願いしました。

 しかしながら、一昨日、新規感染者数が過去最多となり、医療・福祉等の提供体制が逼迫してきていると考えられることから、今後の諸イベント・行事についても、中止を含め規模縮小などの見直しが求められているものと感じております。

 新型コロナワクチン接種につきましては、医療従事者や高齢者施設等の従事者の希望される方々への4回目接種を進めているところであります。

今後の感染状況につきましては、先行きが不透明で、確実な見通しを持つことは困難ですが、国・県の動向を注視しながら感染予防対策に全力で取り組んでまいります。

コロナ禍の影響が長期化する一方で、世界的な物流の混乱やロシアの軍事侵攻からおよそ半年が経過する中、和平への道のりは遠いことから先行きに大きな不安を与えております。

価格高騰につきましても長期化が懸念され、第一次産業をはじめ、あらゆる産業の分野において事業者は厳しい状況に陥り、食料の安定供給等に支障をきたす恐れがあることから、今後もコロナ禍からの社会経済活動の円滑な回復と「持続可能な産業の維持・発展」のため、状況の変化に応じた迅速な対応をしていただくよう、私が会長を務めております県市長会及び南薩地区総合開発期成会において、緊急要望書を塩田知事へ提出しました。

併せて、8月16日から17日にかけて、中央省庁及び県選出国会議員へ諸課題について要望したところであります。

現在、全国的に食料品や生活必需品の値上げが相次ぐとともに、急激な円安の影響も重なり住民生活や企業活動等の負担が増え続けていることから、低迷する市内経済の活性化と市民生活や事業者の皆様を支援するため、全市民を対象に、1人1冊2万円の商品券を2千円で購入できる「"オール南さつま" きばっど商品券 今だからこそ 10倍商品券」を9月1日から販売します。

 農業の振興につきましては、7月14日、かごしまブランドに指定されている超早場米「金峰コシヒカリ」の出発式が行われ、8月3日にはJAさつま日置金峰水稲部会長ら関係者が、金峰コシヒカリPRのため県知事を表敬し、新米の贈呈を行いました。

今年産は、5月下旬から6月上旬まで例年より気温が低く、日照不足等によりいもち病が発生・拡大し、例年より15パーセント程度の減収となりました。

また、収穫前のカメムシによる被害で1等米比率が低下するなど、品質に大きな影響を受けましたことから、市・地域農業再生協議会・JA・生産者との一体的な連携により、来年産の作付けに向け対策を講じるとともに、良品質で安全・安心なブランド米「金峰コシヒカリ」の生産拡大に向け、取組を進めてまいります。

サツマイモ基腐病の発生状況につきましては、梅雨が短かったことや生産者による防除や管理の徹底が図られたことで、例年より被害の発生が抑えられているところであります。

なお、今年度は、新たな防除の取組として、金峰町スマート農業推進組合によるドローンを活用した農薬散布の実施が行われており、散布時間の短縮、身体的な労力の軽減が図られました。

自然農法・有機農業の取組につきましては、加世田常潤高校と有機農業の振興及び栽培技術に関する連携協定の一環として、校内の水田において雑草管理を省力化できる「アイガモロボット」の実証実験を行い、生徒にスマート農業や有機農業についての学習の場を提供しました。

 また、9月下旬には、静岡県にある自然農法大学校の学生が本市で有機農業の体験学習を行うこととなっております。

畜産振興につきましては、5年に1度、「和牛日本一」を決める「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」が10月6日から10日にかけて霧島市と南九州市で開催されます。

8月28日から29日には、姶良中央家畜市場で「最終予選会」が開催され、県内各地区で選抜された肉用牛の中から全共出品牛24頭が決定します。

川辺地区代表として本市からは、日本一を目指し、種牛の部で加世田常潤高校の「まりん号」、肉牛の部で有限会社 江籠畜産の肥育牛が出品される予定であります。

ふるさと納税につきましては、令和3年度における各自治体のふるさと納税受入額が総務省から公表され、本市は、寄附額が前年比105.8パーセントの455,060万円で県内2番目となり、全国においては21番目となりました。

全国の多くの皆様からご寄附をいただいておりますことに、心より感謝申し上げますとともに、使い道におきましても、子どもを産み育てやすい環境づくりやふるさとへの移住・定住応援など、寄附者の意向を踏まえつつ、大切な財源として活用させていただきます。

今後も市観光協会や生産者・事業者の方々と連携を深め、本市の新たな顧客の確保を図りながら魅力ある特産品を幅広く情報発信してまいります。

万世特攻平和祈念館につきましては、特別企画としまして、8月15日に、朗読家 浜本(はまもと)麗歌(れいか)さんと高校生による朗読会を開催しました。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、事前予約制で収容人数を制限し、開催されましたが、若き隊員の方々が家族に宛てた最期の手紙の朗読に、現在のウクライナ情勢も重なり、平和の尊さ、大切さを改めて考える機会となりました。

7月23日の竹田神社夏祭りにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況を考慮し、神事と士踊りの奉納及び水車からくりの公開のみが実施され、稚児踊については例年並みの踊り手の参加があり、伝統行事の継承が図られました。

くじらバスの有効活用と、子どもたちに空港の役割や飛行機への興味を促すことを目的に、日本航空・日本エアコミューター・鹿児島空港ビルディング等との連携事業「くじらバスで行く!第2回子ども航空教室in鹿児島空港」を実施し、市内の小学生18人が参加しました。

防災・減災対策の充実につきましては、気象庁は、6月から線状降水帯の予測情報を半日から6時間前に発表する運用を始めました。

7月15日、全国で初めて九州に線状降水帯の予測情報が発表されましたが、発生には至りませんでした。

また、8月21日、大雨に伴う土砂災害警戒情報が発表され、白川地区公民館を避難所として開設しましたが、本市においては、幸いにも被害等の報告はありませんでした。

今後も災害から、市民の生命・身体・財産を守るため、「市地域防災計画」等に基づき、防災体制の強化に努めてまいります。

 市総合防災訓練につきましては、防災意識の高揚を図る機会とし、9月4日に市役所周辺で開催を予定しており、大雨に伴う河川の氾濫、地震に伴う火災を想定した水防訓練、消火訓練等を実施するとともに、関係機関・団体等と連携し、災害発生時の応急対策の検証・確認を行ってまいります。

地域とともにある学校づくりにつきましては、7月25日、長屋小学校再編検討協議会から「長屋小学校を加世田小学校に再編するための要望書」が提出されました。

今後は、PTA・学校・地域の代表者等を構成メンバーとする再編準備委員会を設置して、通学体制や閉校に関する行事など具体的な協議を進めていただくこととしております。

7月4日、企業版ふるさと納税を活用して実施する「南さつま飛びたて高校生事業」の認定証交付式を行いました。

市内各高等学校の特徴を生かした高校生によるプレゼンテーションの中から、新規事業の「川畑みかん復活プロジェクト」をはじめとする8事業を採択し、各学校の生徒代表へ交付書を手渡しました。

また、事業の成果や学校紹介をDVDにまとめて市内及び近隣の中学校へ配布し、進路学習等で活用していただく予定であります。

教育環境の整備充実につきましては、各学級と特別教室には固定Wi-Fiルーターを設置しておりますが、9月から校庭や校外活動においてもタブレットが利用できるよう、モバイルWi-Fiルーターの各学校への導入を準備しているところであります。

7月3日、交通安全子ども自転車鹿児島県大会が県運転技術向上センターにおいて開催され、本市からは、加世田小、益山小、阿多小の3チームが出場し、団体戦では益山小チームが3連覇を果たしました。

8月に予定されていた全国大会は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、このような大会を契機に、学校や地域で、交通ルールの遵守や正しい交通マナー、安全意識を高める取組を進め、交通事故のない安心安全なまちづくりに努めてまいります。

生涯スポーツの推進につきましては、高知県で開催された全国高校総体インターハイにおいて、鳳凰高校女子テニス部が団体女子として県勢初となる3位入賞という素晴らしい成績を収めました。

来年開催されるかごしま国体へ向け、練習を重ね、大舞台で活躍することを期待したいと思います。

8月4日、OSAKO YUYA stadiumにおいて、東京オリンピック陸上女子400メートルリレーメンバーの鶴田(つるた)玲(れ)美(み)選手を講師としてお招きし、「日本代表選手に学ぶ!走り方教室」を開催しました。

本市のコミュニティスポーツクラブ陸上教室児童・生徒を中心に、走り方の基本やオリンピックに出場された際の体験を活かした講話をいただき、参加した児童・生徒には貴重な経験となりました。

来年の吹上浜砂の祭典につきましては、7月7日に開催された役員会において、会期を5月3日から5日までの3日間とし、本年と同様に「まちなか」で開催することを決定しました。

 併せて、節目に実施している記念事業についても協議がなされ、市制施行20周年を迎える2025年に実施する方向で準備を進めていくことが確認されました。

国内交流につきましては、8月1日、姉妹都市である北海道旭川市の市制施行100年記念式典に出席し、本市との交流も紹介され、改めて絆の深さを感じる機会となりました。

 また、旭川市において9月17日から19日までの3日間、3年ぶりに「北の恵み食べマルシェ2022」の開催が予定されています。

本市からは、黒豚や本格焼酎、農産物等含め、11事業者が出店を予定しており、今後も両市の経済の活性化を図り、姉妹都市として様々な形で持続的な交流を行ってまいります。

和楽苑の民営化につきましては、7月22日、社会福祉法人清心福祉会と「民間移譲に関する仮基本協定書調印式」を執り行いました。

入所者及びそのご家族が最適で安心して、より良い介護サービスを受けられるよう、清心福祉会と一体となって、令和5年4月1日からの運営開始に向けて、準備を進めてまいります。

笠沙恵比寿につきましては、7月8日、市及び本市と基本協定書を締結している日清丸紅飼料株式会社から、笠沙地域の公民館長、自治会長、行政嘱託員の皆様に対しまして計画の説明を行い、一定の理解をいただいたことから12月の譲渡に向け、本議会に条例廃止及び財産処分に関する議案を提案したところであります。

金峰支所及び金峰地域消防拠点施設の整備につきましては、建設予定地の用地買収や車庫解体、擁壁工事は、昨年度完了しましたが、引き続き、本体の建設に着手するため、本議会に契約議案を提案したところであります。

 最後になりますが、いまだ終息の見えないコロナ禍やウクライナ情勢、世界的なインフレリスクの高まりなど、気持ちが塞ぐ話題が続いておりますが、こうしたときこそ、私たち行政は、市民の皆様にしっかりと寄り添い、支えとなっていかなければならないと思っております。

 喫緊の行政課題にスピード感を持ち果敢にチャレンジするとともに、市民の皆様に安心できる行政サービスを提供できるよう、全力で取り組んでまいります。

 以上で、諸般の経過、当面する市政の諸課題についての説明を終わります。

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