令和3年9月議会において、次のとおり報告いたしました。
先の定例市議会以後、これまでの諸般の経過、当面する市政の諸課題について、ご説明申し上げます。
デルタ株の影響等により、爆発的な感染拡大となっている新型コロナウイルス感染症につきましては、国内及び県内の感染者数は、急激な感染拡大に歯止めが掛からない厳しい状況が続いております。
この感染急拡大を受け、県は今月13日、警戒水準を「ステージ4(爆発的拡大)」へ引き上げ、独自の「緊急事態宣言」を発令しました。
また、17日、鹿児島県に、政府の「まん延防止等重点措置」の適用が決定しました。
本市においては、8月4日以降、職員の感染が複数確認されたことから、私が防災無線にて、市民の皆様へお詫びし、感染防止についてもご協力のお願いをしました。
庁舎につきましては、職場や庁内の消毒など、必要な対策を直ちに行い、通常どおり開庁しました。
本市における直近の感染者状況につきましても、増加していることから、市中感染を起こさないよう最善を尽くし、今後も職員に対し注意喚起を行うとともに、改めて感染予防の徹底を図り、今まで以上に市民の皆様の安全を最優先に感染症拡大防止に全力で取り組んでまいります。
ワクチン接種につきましては、既に対象者全員に接種券配布を終え、65歳以上の高齢者の接種は、8月25日現在、2回接種を約9割の方が終えられており、また、全体でも約6割となっております。
今後も希望する全ての市民がワクチン接種を受けられるよう、また、感染に不安を感じる市民に対してPCR検査の助成などに努めてまいります。
なお、7月9日には、鹿児島県市長会会長として塩田知事に「高齢者接種以降の新型コロナウイルスワクチン接種に関する要望」を提出し、ワクチンの安定供給と適切な配分、ワクチン接種を受けやすい就業環境づくりを要望しました。
新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、低所得の子育て世帯の生活支援を行うため、児童一人当たり5万円を給付する子育て世帯生活支援特別給付金につきましては、令和3年4月分の児童手当等の支給を受けている129世帯に対し、7月8日に支払いを行ったところであります。
また、宿泊事業者をはじめとする貸切バスやタクシー、運転代行事業等を支援するため、再度、「宿泊事業者等支援給付金事業」に取り組むとともに、低迷する市内経済の活性化と市民生活を支援するため、緊急経済対策第5弾として、全市民を対象に、1人1冊10,000円の商品券を1,000円で購入できる「コロナに負けるな!"オール南さつま"きばっど商品券 感染防止 めざせ安心10倍商品券」を9月6日から販売します。
新しい生活様式・営業スタイル推進事業補助金につきましては、当初、2月1日から4月15日まで市内の事業者を対象としておりましたが、新たに自治公民館を追加、実施期間を6月30日まで延長し、実施しました。
交付実績につきましては、事業者347件、自治公民館31件に4,155万9千円の助成となり、感染症の予防対策強化につながりました。
農業の振興につきましては、超早場米「金峰コシヒカリ」の収穫が7月中旬から開始され、7月15日には金峰ライスセンターにおいて出発式が行われました。
また、7月27日にはJAさつま日置金峰水稲部会長ら関係者が、金峰コシヒカリPRのため県知事を表敬訪問し、新米の贈呈を行いました。
地産地消の推進につきましては、7月15日、加世田中学校において本市産の一番茶を使用したオリジナル緑茶ティーバッグの贈呈式を行いました。
緑茶のマイボトルへの活用や消費拡大を目的に、市内全小中学校・義務教育学校・県立南薩養護学校へ配布しました。
ふるさと納税につきましては、令和2年度における各自治体のふるさと納税受入額が総務省から公表され、本市におきましては、寄附額が前年比92.6%の43億97万円で県内3番目となり、全国においては18番目となったところであります。
全国の多くの皆様からご寄附をいただいておりますことに、心より感謝申し上げます。
使い道におきましても、子どもを産み育てやすい環境づくりやふるさとへの移住・定住応援など、寄附者の意向を踏まえつつ、大切な財源として活用させていただきます。
今後も市観光協会や生産者・事業者の方々と連携を深め、本市の新たな顧客の確保を図りながら魅力ある特産品を幅広く情報発信してまいります。
万世特攻平和祈念館につきましては、本年4月にリニューアルオープンし、会議室の増築により、修学旅行や平和学習に訪れる団体の受入れが可能となり、4月以降9校515人の受入れを行ったところであります。
また、お盆の特別企画として、8月14日、朗読家浜本麗歌さんと地元の高校生による朗読会を開催し、若き隊員が家族や大切な人へ宛てた最後の想いに触れ、平和の尊さ、大切さを改めて考える機会となりました。
7月23日の「竹田神社夏祭り」につきましては、新型コロナウイルス感染症対策を考慮し、神事と士踊りのみが実施され、稚児踊りについても例年より踊り手を制限した中で、伝統行事の継承が図られました。
くじらバスの有効活用と、子どもたちに空港の役割や飛行機への興味を促すことを目的に、日本航空からの派遣職員による観光デザイナー企画として、日本航空・日本エアコミューター・鹿児島空港ビルディング等との連携事業「くじらバスで行く!夏休み子ども航空教室」を実施し、市内の小学生16人が参加しました。
加世田都市計画の用途地域及び都市計画道路の都市計画変更につきましては、6月24日から7月18日まで、計9回市民説明会を開催し、77人の方に参加いただきました。
また、変更案につきましては、8月2日から16日までの縦覧を経て、8月20日に開催された都市計画審議会にお諮りし、承認されたことから、今後9月末の都市計画決定に向けて、関係機関との協議及び関係法令に基づく諸手続きを進めてまいります。
自然環境の保全につきましては、加世田、金峰地区を中心に市内全域でキオビエダシャクが大量発生し、これまで実施していた自治会を通じた共同防除及び個人防除に対する駆除薬剤の無料配布に加え、令和3年度に限り緊急の特例措置として個人の申請によるトレボン乳剤の無料配布を7月12日から開始したところであります。
また、ヤンバルトサカヤスデにつきましても、想定外の異常発生が確認さていることから、引き続き、まん延防止を図ります。
7月1日、企業版ふるさと納税を活用して実施する「南さつま飛びたて高校生事業」の認定証交付式を行いました。
「自然農法で観光農園とマルシェにチャレンジ」をはじめ、各学校の特徴を活かした魅力ある学校づくりの情報発信として9事業を採択しました。
今年度は、事業の成果や学校紹介をDVDにまとめて市内及び近隣の中学校へ配布し、進路学習等で活用する計画となっております。
金峰学園開校に向けた取組につきましては、新しい校章デザインが、304点の一般公募の作品の中から児童・生徒の投票等によるクラス選考の結果を踏まえ、金峰学園開校準備委員会で承認され、定例教育委員会で報告し、決定されました。
7月3日、第11回南さつま市交通安全子ども自転車大会が加世田運動公園体育館において開催されました。
市内の小学校から18チーム、97人が参加し、事前実施した学科テスト、安全走行及び技術走行の実技テストで競い合い、正しい乗車の知識と技能を身に付けることの「学びの場」となりました。
生涯スポーツの推進につきましては、東京2020オリンピックの感動をそのままに、パラリンピック競技大会を市民全体で盛り上げ、機運醸成を図るため、県が採火した共生社会への思いが込められた聖火をランタンに灯し、8月12日、13日及び16日の3日間、市役所本庁舎において展示し、障がい者スポーツ競技の理解を深めてもらう契機となりました。
2022吹上浜砂の祭典につきましては、7月8日に行われた砂の祭典実行委員会役員会におきまして、実施推進本部会議からの提案について協議を行い、期間を5月3日から5日までの3日間とし、本年と同様に「まちなか」で開催することを決定いたしました。
8月11日からの大雨の対応につきましては、20日までの連続雨量は最大地区で769ミリを記録し、万之瀬川は氾濫危険水位の5.80メートルを超え、加世田川も氾濫危険水位である4.80メートルに迫る状況となりました。
本市としましては、災害対策本部等を設置するなど対応に努め、土砂災害警戒情報の発表に伴い、17日と20日に避難指示を発令し、最大で58世帯、85人が避難されたところであります。
幸いにも、この豪雨による人的被害等はなかったところですが、農作物や道路・施設等における崩土・路肩欠壊など、市内各地で被害が発生しました。
農作物につきましては、大浦地域等において、早期水稲の冠水や倒伏などにより、品質の低下がみられ、また、さつまいもでは、基腐病の発生及びまん延が危惧されています。
被害を受けられた市民の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、復旧に向けて迅速かつ全力で取り組んでまいります。
9月5日に予定しておりました総合防災訓練につきましては、新型コロナウイルス感染急拡大を受け、大規模な訓練等は困難と判断し、中止としましたが、今後も台風シーズンを迎えることから、体制の強化に努めてまいります。
最後になりますが、コロナ禍により、日々変わる感染状況、自粛生活の中において、行動制限や緊張を強いられる生活が続いておりますが、市民の皆様のご理解とご協力を賜りながら、感染症拡大防止に最大限の努力をしてまいりたいと思います。
以上で、諸般の経過、当面する市政の諸課題についての説明を終わります。