H26.02.21 平成26年度施政方針

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 平成26年第1回市議会定例会の開会に当たり、市政運営について所信を申し上げますとともに、本日提案いたしました議案について、ご説明申し上げます。
 国においては、政府による経済政策「アベノミクス」の効果により、長く低迷していた日本経済はようやく回復基調にありますが、その効果の恩恵は未だ地方や中小企業に薄く、4月からの消費税の引き上げやTPP協定への対応など先行きは予断を許さない状況にあります。補正予算を含めると100兆円を超える大型の新年度予算に基づく「デフレ脱却」、「日本経済再生」に向けた果断な取組が望まれるところであります。
 一方、県においては、地域の経済・雇用を支える足腰の強い産業の育成を目指し、21世紀の鹿児島の基盤づくりに最も重要である農業や観光を中心とした産業構造の高度化、再生可能エネルギーの積極的な導入・活用、快適で活力のある社会資本の整備等「力みなぎる・かごしま」、「日本一のくらし先進県」の実現に向けて取り組むこととしています。
 本市においては、総合振興計画「夢を紡ぐセカンドステージ」のもと、市民が住みよいと感じ、笑顔があふれるまちを目指し、各種の施策・事業に確実かつスピード感を持って取り組んでいるところであります。迎える平成26年度においては、引き続き「市民目線」と「現場主義」に徹した改革と再生の取組を推進するとともに、市政の主人公である市民の皆様への説明責任を果たしながら、「健康力」、「産業力」、「安心力」、「地域力」、「改革力」の5つのパワーアップを図り、来年の市制10周年に向けて、より一層の一体化と人が元気、地域(まち)が元気、「健康元気都市 南さつま」の創造のため全力を傾注してまいります。そのために、次の5つのプランからなる戦略プロジェクトを推進してまいります。
 
 第1の取組は、「食の価値創造・健康と産業づくりプラン」の推進であります。健康を維持するための食養生や運動、全人的健康増進・予防など効果的な施策の展開を図りながら健康寿命の延伸化を推進し、市民が健康で生き生き暮らせるまちづくりを目指してまいります。また、地域資源を活かし地場産業が発展するまちづくりを目指し、将来に向け希望の持てる生産や操業基盤の整備を図り、販路の拡大や生産・流通基盤の  構築など儲かる農林水産業への転換を推進するとともに、農商工連携による6次産業化や新たな起業を積極的に支援してまいります。
 
 第2の取組は、「歴史と景色と光が織り成す協奏プラン」の推進であります。南さつま海道八景や吹上浜砂の祭典などの本市の観光資源を最大限に活用するため、魅力ある観光スポットの整備をはじめ、薩摩半島一体となった広域観光ルートの形成など誘客対策に取り組んでまいります。また、特産品の開発や販路の拡大、スポーツ大会、合宿誘致、グリーン&ブルーツーリズム等の推進により交流人口の拡大を図り、商工・観光団体の自立・活発化を促進するとともに、新たな観光産業の創出につなげてまいりたいと考えております。
 
 第3の取組は、「安心安全な暮らしを築くほっとプラン」の推進であります。災害時の拠点となる防災センターや防災行政無線等の整備を図るとともに、消防救急無線のデジタル化等については広域の行政課題として指宿市、南九州市の3市共同で取り組むことといたしました。併せて、地域防災の要である消防団や自主防災組織の活動の充実など地域防災計画に基づく総合的な防災体制の確立に努めてまいります。このほか、道路や飲用水施設、都市下水路、公共交通運行体系等の整備に取り組むとともに、自然再生エネルギーの普及など環境に優しいまちづくりを推進し、災害に強く、安心で安全な住みよいまちづくりを目指してまいります。
 
 第4の取組は、「愛と真心広がる南さつま人きらめきプラン」の推進であります。人と地域、行政が一体となって支え合う共生・協働のまちづくりを進めるため、市民等による地域おこし活動を積極的に支援するとともに、引き続き自治会の再編を促進し、併せて、自治会パートナー制度の定着を図り自治会との連携を構築してまいります。また、少子高齢化や人口減少に対処するため、各種福祉サービスや子育て支援の充実を図るとともに、子どもの教育環境を第一に学校再編や施設改修などに取り組み、学びの力を高めるため生涯を通じて学習する場の提供に努めてまいります。
 
 第5の取組は、「今を改革! 輝く近未来への進化プラン」の推進であります。これまで聖域なき行財政改革に取り組んできておりますが、今後、防災行政の強化や、し尿、ごみ、消防など広域行政に係る大型プロジェクトなど多額の財源を要する事業が見込まれており、引き続き行政改革大綱など各種計画に基づき行政の効率化を推進してまいります。また、市政の動きを市民の皆様にお知らせする機会を充実させるとともに、女性や青年の市政への参画を推進し、「協働による効率的な市政」の実現を目指してまいります。
 このような観点から、平成26年度の市政運営に当たり、6つの柱を基本に主な施策や新たな取組等について、ご説明申し上げます。
 
 第一は、「保健・医療・福祉の充実した健康で安心なまちづくり」であります。
(健康づくりの推進・医療体制の充実)
 市民の健康づくりの推進については、市と市民が協働して心と体の健康を実現する社会資源を活用した総合的な健康元気まちづくり事業を積極的に推進してまいります。 
 産学官連携による健康元気まちづくり戦略会議を柱に百寿委員会の意見を踏まえ、市民総ぐるみの取組を推進し、笑顔あふれる明るい環境づくりに努めてまいります。
 また、引き続き「華の50歳・還暦健診」、「なでしこ健診」を実施するとともに、新たに健康体操等普及事業や成人用肺炎球菌ワクチン予防接種助成事業及び健康長寿自助共助事業など、健康寿命の延伸を図る取組を推進してまいります。
 国民健康保険事業については、医療費等の増加も著しく、さらに厳しい国保運営が予測されることから、医療費分析を通して新たに長命創教室に取り組むなど、さらに医療費適正化対策事業を展開してまいります。
 地域医療の確保については、関係機関と連携し、小児科再開の要望活動やフォーラムを開催し、市民をはじめ、関係機関・団体と一体となって医療環境の充実に向けて努めてまいります。 
 坊津病院及び診療所については、経営等の健全化及び医療機能の充実を図り、市民が安心・信頼できる医療の提供に努めてまいります。
 (福祉の充実)
 高齢者福祉については、新たな高齢者福祉計画を策定するとともに、高齢者がいつまでも健やかで安心して暮らせるまちづくに努めてまいります。
 障害者福祉については、サービス提供体制の整備、充実に努めるとともに、自分らしい生活を自らの意志で選択できる地域社会づくりに努めてまいります。
 介護保険については、第6期介護保険事業計画を策定するとともに、適切な介護サービスの提供及び保険運営の健全化に努めてまいります。
 (少子化対策の推進)
 少子化対策については、子ども子育て支援事業計画を策定し、安心して子どもを生み育てるための環境整備を推進してまいります。
 子育て支援施策として、市独自に「おたふくかぜ」・「水疱瘡」予防接種について全額助成を継続するとともに、新たに妊婦歯周疾患検診や母親の育児環境の充実に努めてまいります。 
 花婿・花嫁きもいりどん事業については、継続的に支援するとともに、事業の広域化、定住促進につながるよう具体的な支援を行ってまいります。
 
 第二は、「地域資源を活かした産業振興による活力あるまちづくり」であります。
(農業の振興・林業の振興)
 農業の振興については、TPP協定参加問題やコメ政策の大転換期を控え、本市農業を支える中核的担い手への支援や掘り起こし、優良農地の集積・流動化、耕作放棄地の再生・解消等を図るため、農業者経営所得安定対策事業や青年就農給付金事業、人・農地問題解決推進事業、耕作放棄地解消推進事業、中山間地域等直接支払交付金事業等を実施し、水田営農、地域農業のプラン策定や実践に対し支援をしてまいります。
 また、農業・農村活性化推進施設等整備事業や鳥獣害防止総合対策事業等を実施し、就農初期や経営改善に必要な農業機械・施設等の整備支援に加え、鳥獣被害から農業経営を守るための設備・施設等の整備を支援してまいります。併せて、南さつま市堆肥センター「ゆうきの郷」など、修繕・補修が必要な農業関連施設等の改修を行ってまいります。
 農畜産物のブランド化については、引き続き「加世田のかぼちゃ」、「南さつまのハウスきんかん」等の価格安定資金の造成や農畜産物等のトップセールスの実施に加え、種苗導入や茶業経営の複合化に向けた支援を通じて、産地基盤強化と統一銘柄の確立に努めてまいります。
 新たな取組として、果樹等の代替作物として、高齢者でも栽培管理が比較的容易なオリーブ栽培について、苗木導入助成、技術向上のための研究会の立ち上げや先進事例の研修等を行い、生産・加工販売の基盤づくりに着手してまいります。
 生産者向けの「有機農業実践講座」の開設や有機JAS認証手数料の一部助成、環境保全型農業直接支払交付金助成により、人と環境にやさしい有機農業に取り組みやすい環境づくりを推進してまいります。
 また、環境保全促進助成事業を実施し、微生物活性剤等による実証や臭気分析を行い、畜産に由来する悪臭の軽減に努めてまいります。
 食普及啓発推進事業については、食育推進リーダーの育成や学校給食地場農産物利用拡大事業により、日本の食文化や郷土食の伝承を図り、安心・安全な「食」の普及に努めてまいります。
 健康増進効果が期待できる野菜等の生産奨励と消費拡大、高齢者や小規模農家による少量多品目野菜等の栽培を推進するため、栽培技術の相談支援や集出荷仕組みづくりをすすめ、生産者の所得向上につなげてまいります。
 また、6次産業を創出するための情報提供を積極的に行い、起業の機運を大いに高め、チャレンジする農業者を積極的に支援してまいります。
 農地整備については、農地・農業用施設の整備を図るとともに、既存施設の老朽化対策や地域の防災減災対策を実施し、農村地域の総合的な環境整備を進めてまいります。
 林業振興については、各種森林整備事業を活用した間伐や路網整備を実施するとともに、松くい虫の被害防止対策を図り、森林の持つ多面的機能の充実と健全な森林保全に努めてまいります。また、国・県の補助を活用した治山事業を導入し、荒廃森林の復旧や防災対策の推進に努めるとともに、基幹的林道の整備を実施してまいります。
(水産業の振興)
 水産業の振興については、漁場環境の保全・創造のため、藻場造成や稚魚放流、イカシバ投入を漁協と一体となって実施するとともに、新たに共同漁業権内に増殖施設を新設し、放流稚魚の繁殖と保護を図り、漁業資源の確保・増大につなげてまいります。
 本市で水揚げされる特色ある水産物のブランド化を推進するとともに、県内外の市場調査・商談会等を通じ、新たな販売ルートの開拓や魚価向上対策につなげてまいります。
 漁業者支援策として、新たに操業に必要な機器購入への助成や省エネ対策として船底清掃への補助、燃油タンク改修への助成、漁業者グループへの活動支援制度を新設し、既存の漁獲共済掛金補助と合わせて、漁業者の負担軽減と操業支援に努めてまいります。
 漁港・漁場の整備については、各漁港の整備、養殖場静穏化のための消波堤改良により、漁港の機能強化と安全な養殖漁場の確保を図ってまいります。
(商工業・観光の振興・新産業の創造)
 商工業の振興については、商工団体と連携して各種融資制度や支援対策事業の活用促進を図り、市内商工業の育成と経営の安定化に努めるとともに、異業種間交流や農商工連携による新たな起業や特産品の開発を推進してまいります。また、特産品のブランド化と販路拡大に努めるとともに、プレミアム付き商品券の発行や6次産業化の取組等についても支援してまいります。
 観光の振興については、地域の特性を活かした観光・交流基盤の整備を進め、地域内にある観光施設や物産館等が連携した事業を展開するとともに、薩摩半島一体となった観光・交流資源のネットワーク化による観光ルートの形成を図るなど、誘客対策に努めてまいります。
 くじらバスの活用や笠沙美術館の指定管理者を公募し魅力ある拠点づくりを推進するとともに、南さつま海道八景の自然景観や食、歴史・文化をさらにブラッシュアップし、地域や関係機関と一体となった観光資源の宝みがき事業を展開してまいります。
 また、特産品の高付加価値化を図るとともに、玉川大学の観光学部を中心に招聘事業を実施し、南さつま市をキャンパスとした学術研究を通して、商品化を目指した観光資源や地域の魅力の磨きに取り組んでまいります。
 グリーンツーリズムの推進については、修学旅行生の受入れなど年々その需要が高まっているため、積極的に登録受入農家等の育成、支援に努めてまいります。 
 スポーツ観光の推進については、スポーツ合宿奨励金の周知を図りながら、人工芝サッカー場をはじめとする体育施設を県内外にPRすることで、各種スポーツ大会や合宿の誘致活動を積極的に実施してまいります。
 27回目となる吹上浜砂の祭典は、砂丘の杜きんぽう内特設会場で、ゴールデンウィークを中心に期間を30日間に延長し、新しい産業おこしにつながる砂の祭典を目指してまいります。また、長期間開催することで、修学旅行生の受入れやエージェント等によるツアー商品化に努め、集客を図ることにより、地域経済への波及効果を高めてまいります。
 今後、さらなる観光振興を目指すためには、南さつま市観光協会の役割が重要になることから、組織の充実や他の組織との連携を含めた体制の強化を促進してまいります。
 
 第三は、「人と自然の共生する環境にやさしいまちづくり」であります。
(住環境の充実)
 住環境の整備については、国道や県道の整備促進を図るとともに、市道の整備と維持管理を図り、市民生活の安定や利便性の向上に努めてまいります。また、道路や河川の愛護作業については、取組の支援の見直しを行い大幅に拡充することにより、共助による環境整備を推進してまいります。
 コミュニティバスについては、地域公共交通総合連携計画に基づき、「便利に再生」公共交通リニューアル事業の第3弾として、平成26年度の再編運行に取り組んでまいります。
 水道事業については、施設の改良・更新を図り、安全で良質な水の安定供給に努めてまいります。
 簡易水道事業については、坊津町清原地区整備事業に着手するとともに、未普及地域の解消に努めてまいります。
 加世田市街地の水害対策である都市下水路事業については、水害に強いまちづくりの実現のため早期完成に努めてまいります。
 生活排水対策については、集落排水事業の実施や合併処理浄化槽設置事業の推進により、快適な生活環境と河川等の水質保全に努めてまいります。また、加世田市街地の汚水対策については、アンケート調査を基に今後のあり方について検討を進めてまいります。
 市民の快適な住環境の整備を図るため、引き続き住宅リフォーム助成事業等を実施するとともに、新たな取組として、定住者向けの住宅新築助成事業を新設し、住宅新築による定住促進や建築関連産業の活性化を図ってまいります。
(環境保全対策の推進・自然環境の保全と水資源の確保)
 環境保全対策については、引き続き住宅用太陽光発電システムの設置家庭に対する補助や市内遊休地等への太陽光発電施設の誘致を進めるなど、クリーンエネルギーの導入を促進し、地球温暖化防止、エネルギー消費抑制等に努めてまいります。
 市内の一部で発生しているヤンバルトサカヤスデの駆除及びまん延防止のため薬剤購入費の補助を引き続き実施し、発生地域住民の負担軽減を図ってまいります。
 自然環境の保全対策については、悪臭対策や騒音対策など、市民の共有財産として適切な保全に努めてまいります。
(防災対策の強化)
 防災対策の強化については、主要河川の改修事業や急傾斜地崩壊対策事業、砂防事業等による防災施設の整備を促進し、自然災害に強いまちづくりに努めてまいります。
 消防行政については、消防施設等の整備により消防力の充実を図るとともに、迅速・的確な消防、救急活動に努めてまいります。また、消防救急無線のデジタル化及び高機能消防指令センターの整備については、複雑多様化する消防需要に広域的に対応し、市民の期待と信頼に応える消防サービスの高度化を推進するため、指宿南九州消防組合と共同整備及び共同運用を行ってまいります。
 地域防災力強化については、消防団と連携を図るとともに、自主防災組織の結成促進及び活動の充実を図ってまいります。
 防災行政無線の整備については、大浦地域のオフトークの終了や設備の老朽化などに対応するため、市全体で統一した無線整備を平成26年度から3か年で行うこととし、平成26年度は、大浦地域、笠沙地域の整備を進めてまいります。また、各戸への情報伝達のため、自治会無線施設の整備を促進してまいります。
 防災体制については、災害時の拠点となる防災センターの整備を進め、地域防災計画による総合的な防災体制の確立、大規模災害等に備えた備蓄等の整備に努めるとともに、災害時相互応援協定を締結している自治体との交流を深め、連携強化を図ってまいります。
 危険廃屋対策については、防災、防犯上の問題となっている危険廃屋の解体経費について補助を行ってまいります。
 消費者保護対策として、市民の安心・安全な消費生活を確保するため、消費生活センターの相談体制の維持及び機能強化を図るとともに、継続的に啓発活動等に努めてまいります。
 
 第四は、「互いに伝え・学ぶことによる心豊かな人を育むまちづくり」であります。
(地域に根ざした学校教育の推進)
 学校教育については、子ども一人一人の力を伸ばす授業改善に努めるとともに、コミュニティ・スクールの推進などを通して、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たしながら、子どもたちの生き抜く力の育成を図ってまいります。併せて、地震や津波を想定した安全対策や避難訓練の実施、登下校の交通安全対策の強化など、児童生徒の健康・安全の確保に努めてまいります。さらに、いじめや不登校等に関する相談体制を充実するとともに、新たに適応指導教室を設置し、不登校児童生徒の学校への再登校を支援してまいります。
 学校再編については、平成27年4月の久木野小学校の加世田小学校への再編に向け、保護者及び地域との十分な協議を踏まえ、再編が円滑に進むよう努めてまいります。また、他の加世田地域の小規模校についても、PTAをはじめ地域の方々の意向を大切にしながら、より豊かな教育のあり方について検討を進めてまいります。
 教育環境整備については、市内小中学校の校舎、屋内運動場の耐震化率が100パーセントになるとともに、建物内部の防災機能強化事業として吊り下げ型の天井構造を持つ屋内運動場の天井撤去を実施してまいります。また、現在市内3か所にある学校給食センターを再編統合し、新学校給食センターを津貫中学校跡地に建設してまいります。さらに、よりよい学習環境整備の一環として、市内全小中学校の図書室への空調設備を設置してまいります。
(生涯学習・スポーツの推進)
 生涯学習の推進については、本年度も「南さつま海道まつり」と「市民大学南さつまキャンパス開校式」を合同開催し、地区公民館等を拠点とした生涯各期における学びと交流の場の提供に努めてまいります。
 地域の人づくりと交流の拠点施設としての地区公民館整備については、旧白川小学校を、白川地区公民館として改修・整備してまいります。
 また、次代を担う青少年の体験活動の充実に努めるとともに、社会教育関係団体の支援や人権尊重社会の形成、読書推進などに取り組んでまいります。さらに、市立図書館については、指定管理者と連携してサービスの拡充に努めてまいります。
 生涯スポーツの推進については、スポーツ推進委員やコミュニティスポーツクラブ、体育協会等との連携により、スポーツ活動を通した健康づくりや体力の維持・増進を図ってまいります。
 特に、世界中で実施されている住民総参加型のスポーツイベント「チャレンジデー」に参加し、市民の健康づくりやスポーツ振興、地域の活性化に努めてまいります。また、平成32年に開催予定の国体鹿児島県大会に向けた準備や本市で開催される少年サッカー、山岳競技の選手育成にも取り組んでまいります。
 さらに、笠沙公園運動広場等の施設整備など、施設の機能を高めながら、利用促進が図られるよう努めてまいります。
 また、サッカー大会や駅伝大会等をはじめ、各種スポーツ大会の開催や誘致を進め、交流人口の拡大に努めてまいります。 
(歴史・文化・伝統の継承・育成)
 歴史・文化事業については、本市に今なお残る加世田麓の歴史ある景観を保存し、周辺地域と合わせて活用する事業をさらに進めてまいります。また、郷土芸能の保存・伝承の支援に努めてまいります。
 本年は南薩線廃止から30年にあたり、地域の重要な産業遺産として位置付けられることから、その歴史の記録に取り組んでまいります。
 文化施設については、金峰文化センターの舞台装置や電動装置等を更新し、既存施設の有効活用を図り、市民参画の文化祭を推進するなど、さらなる文化振興に努めてまいります。
 平成27年に開催される国民文化祭に向けては、実行委員会等による具体的準備を進めてまいります。
 
 第五は、「コミュニティの育成による住民自治のまちづくり」であります。
(住民自治の形成)
 地域コミュニティの活性化による地域力の再生については、市民との協働による真に豊かで活力あるまちづくりを推進するため、団体等が自ら企画しふるさとの再興を目指すチャレンジ活動を積極的に支援してまいります。
 また、地域元気づくり事業については、地域の特性を活かしたコミュニティ活動や環境整備など住民主体のまちづくりの支援に加え、地域が自ら考え自ら行動する、ふるさと「きばっど」事業への取組を支援し地域コミュニティの活性化を図ってまいります。
 自治会の再編については、自治会機能の再生や地域の力を高めるため、再編された自治会への再編交付金の交付や施設整備等のハード事業への支援を行うとともに、再編重点促進期間を平成29年度まで延長し、再編に取り組む自治会への支援・協力など自主的な自治会再編を促進してまいります。
 市民の市政への参画については、地域審議会をはじめ、地域の特性を活かし、共生・協働による地域の活性化と課題解消を図るため、市内22元気づくり委員会を対象に市長との意見交換会「元気づくり井戸端会議」や「きばっど自治会井戸端会議」等を開催してまいります。
 また、平成27年11月7日に市制施行10周年を迎えるにあたり、より一層の一体化を目指すため、記念事業に関するアイデアを広く市民から募集してまいります。
 市報・お知らせ版については、市民に親しまれる紙面編集はもとより、市政に関する取組を掲載するなど内容の充実に努めるとともに、テレビデータ放送、ラジオ放送など様々なメディアの活用や、南さつま市外交官との連携を図るなど本市の魅力を市内外に幅広く情報発信してまいります。 
 男女共同参画社会の推進については、南さつま市男女共同参画基本計画に基づき、一層の取組を進めるとともに、各種委員会等への若者と女性の登用を推進してまいります。
(交流活動の促進)
 国際交流については、引き続き国際交流員の活用を図り、地域間交流については、各種協定等を締結している団体との連携・交流を深め、教育・文化・産業振興等の推進を図るため、官民一体となってさらに進化した取組を推進してまいります。
 移住・定住の促進については、移住者住宅取得補助金や移住者住宅リフォーム補助金、移住定住促進補助金のさらなる周知を図るとともに、ホームページの充実など移住者向けの情報発信にも努めてまいります。
 サイクルシティの取組については、市民とともに進める活動として「健康」「環境」「安全」をテーマに事業を展開してまいります。
 
 第六は、「行財政の効率化をめざしたまちづくり」であります。
(行政の効率化・財政の健全化)
 行財政改革の推進については、引き続き職員の定員適正化の推進や組織機構の見直し、公共施設の民間委託・民営化及び市有財産の活用など、行政改革大綱や後期集中改革プラン、財政健全化計画などに基づく行財政改革を推進し行政の効率化を図りながら、将来に向け持続可能な行財政基盤の確立に取り組んでまいります。
 なお、株式会社笠沙恵比寿については、外部の支配人を招聘し、経営改善の取組を積極的に進めてまいりましたが、このまま継続して運営することは限界であると判断し、平成26年度中をもって解散することを決断いたしましたので、年度内に指定管理者の公募を行い、新たに民間事業者による管理を目指してまいります。
 また、市民の信頼に応える市役所を目指すため、各種研修等を実施し、職員の意識改革と資質の向上に努めてまいります。
 自治会パートナー制度については、自治会の様々な課題に対応するため、パートナーの資質向上と情報の共有化に努め、自治会との信頼関係を構築し、連携・協働しながら地域の課題解決を図ってまいります。
(広域連携の充実)
 広域連携については、南薩地区総合開発期成会との連携・協調を図りながら、南薩地域振興局管内の一体的な振興に努めてまいります。
 一部事務組合で共同処理を行っている衛生、介護保険の業務については、関係市と一体となって業務の推進に努めてまいります。
 なお、内鍋清掃センター延命改修事業が終了したことに伴い、新広域ごみ処理施設建設に向け、構成市と候補地について検討を始めます。
 また、し尿処理施設の整備については、汚泥再生処理施設建設工事と併行して周辺地域の環境整備に取り組みます。
 
 以上、平成26年度の市政運営の基本的な考え方や主な施策等を申し上げましたが、限られた財源を有効に活用しながら、スピード感のある行政運営を目指し、諸施策を推進するとともに、「自助、共助、公助の精神」に基づき、協働のまちづくりを進め、「次世代に誇れる南さつま市」の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。
 市議会をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

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