令和3年6月議会 諸般の経過及び当面する市政の諸課題の報告

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 令和3年6月議会において、次のとおり報告いたしました。

 先の定例市議会以後、これまでの諸般の経過、当面する市政の諸課題について、ご説明申し上げます。

 長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、本市においても本年度に入り10例を超える感染者が確認され、地域経済や医療現場などをはじめ市民生活全体に影響が生じており、市政運営も総力で対応いたしているところであります。

 高齢者の新型コロナワクチン接種につきましては、4月26日から市コールセンターで予約を開始しましたが、一時期、電話がつながりにくい状態にあり、市民の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたが、早急に改善し、5月10日から市内医療機関で接種が行われております。

 今後も南薩医師会をはじめ医療機関等のご協力をいただき接種枠の拡大を図りながら本年、7月末終了を目指しているところであります。

 その後の基礎疾患を有する方、施設従事者など優先接種の方、65歳未満の方への接種につきましても、今月から、順次、接種券を発送してまいります。

 また、市内のまん延防止を図ることを目的として実施しておりますPCR検査の助成につきましても、引き続き実施してまいります。

 なお、私が会長を務めます、県市長会及び南薩4市長と4市議会議長(本市、南九州市、指宿市、枕崎市)で構成する南薩地区総合開発期成会において、8月以降に実施見込みの65歳未満のワクチン接種も適切に行えるようワクチンの供給体制等について緊急要望書を塩田知事へ提出しました。

 新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、低所得のひとり親世帯の生活支援を行うため、国において、児童一人当たり5万円を給付する子育て世帯生活支援特別給付金につきましては、4月30日に支払いを行ったところであります。

 引き続き、申請が必要な公的年金受給者や家計急変等の対象者につきましては、速やかに審査し、支給を行ってまいります。

 緊急経済対策第4弾として、低迷する市内の経済活性化や市民生活を支援することを目的に発売しました「春よ来い 笑顔輝け 10倍商品券」につきましては、換金額1億5,739万8千円、率として99.5パーセントとなりました。

 また、事業収入が前年同月比で2割以上減少している事業者の事業継続を支援するため、2回目の事業継続支援給付金事業を実施しました。

 実績につきましては、商工業者477件、水産業者64件、農林業者81件の合計622件で、給付金額につきましては6,220万円となりました。

 県立薩南病院につきましては、5月末に「新薩南病院実施設計の概要」が公表され、本年9月頃から建設が始まる予定となっています。

 本市といたしましては、令和4年度中の開院に向けて県と連携しながら、利便性の高いまちづくりに向け、新たな交通システムの導入など支援・協力を行ってまいります。

 2年ぶりの開催となった「2021吹上浜砂の祭典」につきましては、5月1日から3日までの3日間、「今、輝け...まちの砂像!!」をテーマに会場を市役所市民交流広場を中心とする3つのエリアに分けて、「まちなか」で実施し、夜には、花火や市役所庁舎のライトアップなど幻想的な光景を演出しました。

 併せて、北海道旭川市姉妹都市提携5周年記念特産品販売や交流都市物産展(災害応援協定締結の岩手県釜石市、茨城県北茨城市、愛知県北名古屋市、三津交流の三重県津市、砂丘文化交流都市の鳥取県鳥取市5都市)を行い、国際交流都市の中国宿遷市についても友好都市締結15周年を記念して、特設ブースを設置し、特産品等の紹介を行いました。

 関係各位のご協力により感染症予防対策を徹底し、3日間で1万9千人を超えるお客様に各エリアを周遊いただき、まちの通りは久しぶりににぎわいを見せ、立体感あふれる砂の芸術との出会いを楽しんでいただきました。

 なお、今回の開催実績を検証した上で、今後の開催について検討してまいりたいと思います。

 令和2年度のふるさと納税寄附金の実績につきましては、寄附金額約42億9,600万円(前年比の約93%)、寄附件数は約24万件(前年比の約94%)となりました。

 返礼品につきましては、全国に約37万4千件を発送し、返礼品事業者への支払額は約133,100万円となり、地域経済へ大きな波及効果があったものと思っております。

 今後も関係機関、返礼品事業者との連携を更に深め、内容の充実を図り、財源の確保、地域特産品の振興に努めてまいります。

 農業の振興につきましては、春先の気温が例年より高かった影響もあり、全体的に農作物の生育が早まり、金峰コシヒカリは例年より1週間ほど早く田植えのピークを迎えました。

 また、お茶や葉たばこにつきましても、例年より1週間程度収穫が早く始まりましたが、生育は順調で、一番茶の価格も新型コロナウイルスの影響を受ける前の水準に持ち直したところであります。

 かごしまブランド産品である、かぼちゃ、らっきょうにつきましても、初出荷が例年より1、2週間ほど早く、かぼちゃが昨年並みの価格を維持し、らっきょうは、出荷当初から昨年より高値となり、順調な販売で終了しました。

 これは、コロナ禍において野菜の家庭内消費・需要が増えてきていることも起因していると考えられます。

 しかしながら、記録的に早い5月11日からの梅雨入りとなり、その後の雨や曇天による日照不足により、作物によっては、生育にも影響が見られます。

 今年の梅雨明けは、例年並みの7月半ばと予報されておりますので、引き続き、作物の生育状況を見守り、病害虫の発生防止を徹底し、農家の所得向上、経営安定に努めてまいります。

 農畜産物の生産振興につきましては、6月10日、食肉等流通体制整備事業を活用した有限会社小田畜産の食肉加工処理施設の竣工式が行われ、今回の整備により、国内販売に加えて、香港・マカオ・台湾への小田牛ブランドの精肉やハンバーグ、コンビーフなどの加工食品の販路拡大に取り組み、畜産経営の安定と生産基盤の維持・強化を図ることとしております。

 4月11日、第50回の節目となる万世特攻慰霊碑慰霊祭において、万世特攻平和祈念館のリニューアル記念式典を執り行いました。

 修学旅行など団体を受け入れる会議室を増築するとともに、既存の展示品の整理や再展示、館内の映像ソフトの更新を行うなど機能の強化を図ったところであります。

 今後も引き続き、大刀洗平和記念館、知覧特攻平和会館と連携を深めながら、平和の尊さを次世代へ継承してまいります。

 国道270号の宮崎バイパスにつきましては、県において、平成元年度から総事業費約72億円をかけて整備が進められ、323日に、開通しました。

 今回の開通により、地域間の物流・交流が更に促進され、地域の活性化等に寄与するものと期待しております。

 防災対策の充実等につきましては、梅雨時期を前に地域ごとの災害危険箇所等の点検を4月に実施するとともに、5月21日には、消防や警察、県の関係者の参加を得て、市内の危険箇所等の防災点検を実施しました。

 また、避難所を開設する際には、新型コロナウイルス感染症対策に配慮した運営を図ってまいります。

 平成24年度から整備を進めてきました加世田都市下水路事業につきましては、事業が完了したことから、関係者等70名の方々のご列席の下、3月19日、竣工式を執り行いました。

 4つのポンプ場整備により、市街地内の浸水被害を防止し、市民の皆様の生命・財産の安心・安全を確保できるものと大いに期待しております。

 (仮称)南薩地区新クリーンセンターの整備につきましては、本年2月に発注した造成工事等4工区が順調に進んでいるところであります。

 また、昨日、上水道工事、調整池工事を発注しましたことから、今後も、安心安全で地域の住民の信頼に応え、自然との調和を活かした低コストで高い環境サービスが可能な施設を目指してまいります。

 学校教育・教育環境の充実につきましては、市内小中義務教育学校の入学式を、昨年度まで始業式と同日に実施しておりましたが、本年度より、教職員の働き方改革及びゆとりある教育活動の視点から、県内で初めて始業式の翌々日に実施しました。

 金峰学園開校に向けた取組につきましては、現在、新たな校舎の建設が進められており、今後、金峰中学校の既存校舎、屋内運動場等の改修に着手する計画となっているところでありますが、本年4月に金峰中学校へ入学した1年生は、県内の公立中学校では初めて、LGBTに配慮した新たなデザインの制服で登校しております。

 また、新たな金峰学園の校章デザインは、公募によって金峰地域の小・中学生をはじめ、市内外の一般の方から304点の応募があり、本年7月末頃に決定される予定となっております。

 5月23日に実施した「いにしへの道クリーン作戦」につきましては、参加人数を例年の半数に絞るなどの感染症対策を講じ、市内の小・中・高校生、市民ボランティア約200人が、日新公いろは歌の石碑など、竹田神社周辺の清掃作業等を行い、日新公の遺徳を偲ぶとともに、景観保存や歴史の伝承につながる活動となりました。

 笠沙恵比寿につきましては、譲渡先候補法人の選定に至らなかったことから、今後は、募集期間は設けず随時募集を行い、応募があった場合は個別に審査を進めてまいります。

 燃ゆる感動かごしま国体特別国民体育大会につきましては、202310月7日から17日の開催が決定しておりますが、本市開催予定のスポーツクライミングは、10月8日から10日までの3日間、サッカー少年男子は、1012日から16日までの5日間に決定しました。

 引き続き、実行委員会を中心に、開催総合計画及び各種基本計画等に基づき、市民の皆様のご協力をいただきながら、準備を進めてまいります。

 国際交流の促進につきましては、4月19日、台湾の総領事館に相当する台北駐(たいぺいちゅう)福岡経済文化弁事処(べんじしょ)の陳忠正(チン チュウセイ)処長夫妻と関係者一行が、本市を表敬訪問しました。

 意見交換では、本市が取り組んでいるサイクルツーリズムにおける台湾との関係や砂像文化の紹介を行い、陳処(ちんしょ)長(ちょう)からは「南さつま市への観光にも力を入れたい」とのお言葉をいただき、その後、一行は津貫で里山サイクリングを楽しみ、本坊酒造マルス津貫蒸溜所などを見学しました。

 今後、ポストコロナを見据えた台湾との観光交流を図ってまいりたいと思います。

 国内交流の促進につきましては、姉妹都市である北海道旭川市より市内小学生へマスクの寄贈があり、5月7日、加世田小学校にて贈呈式を行いました。

 このマスクは、旭川市内の就労支援事業所が製作したもので、昨年末に本市から医療従事者を激励しようと特産品である「ハウスきんかん」を送ったお礼として届いたものであります。

 庁舎等の効果的な活用につきましては、これまで「笠沙支所」と「笠沙保健センター」は別々の建物でしたが、支所の老朽化等に伴い、令和2年度に保健センターとその周辺を改修し、本年4月1日から笠沙支所を移転しました。

 新しい笠沙支所庁舎は、会議室などを整備し、引き続き、保健センターとしての機能も有する複合施設となり、これまでどおり、各種健診などの実施や、災害発生時の避難所としても利用してまいります。

 広報公聴機能の充実につきましては、4月28日、市政の円滑な推進を図るため、2年ぶりに市政説明会を開催し、各部から地域関連主要事業等について説明を行いました。

 行政区再編につきましても、市政説明会の中で基本方針を説明し、本年度から令和6年度までを再編推進期間として、今後、十分な理解が得られますよう丁寧な説明を行っていきながら再編の推進を図ってまいります。

 和楽苑の民営化につきましては、移譲先優先候補法人である社会福祉法人博楽福祉會と協議を進めてまいりましたが、同法人より辞退の申出がありました。

 今後につきましては、引き続き、民営化に向けた検討と取組を行ってまいります。

 民間活力の活用につきましては、本市の課題解決に向け、リスク管理の専門家であります三井住友海上火災保険株式会社と、本市の協定サポーターとして商工会議所、商工会、青年会議所の賛同の下、SDGs(エスディージーズ)推進を柱にしたまちづくりに向け、県内の自治体では、初めて包括連携協定を締結しました。

 最後になりますが、コロナ禍により、行事やイベント等を含む日常生活において、様々な制約があり、不自由な思いを強いられるような生活が続いておりますが、市民の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、この困難な時を乗り越えてまいりたいと思います。

 以上で、諸般の経過、当面する市政の諸課題についての説明を終わります。

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