令和7年12月議会において、次のとおり報告いたしました。
この度の市長選挙におきましては、引き続き5期目となる市政の舵取り役を担わせていただくこととなりました。改めて、市民の皆様のご支援に心から感謝申し上げます。
私はこれまでの4期16年間、本市の将来を見据え、先送りできない課題にスピード感をもって取り組み、「住みたい 働きたい 訪れたい 誰もが主役になれる 南さつま」を目指して、市民の皆様と共に、着実に確実に前進してまいりましたが、今回、「ふるさと市民10万人」という目標を掲げ、国が創設する「ふるさと住民登録制度」等を活用し、関係人口の拡大・交流の活発化を図ることで、「ヒト・モノ・情報」による地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
新しい任期におきましては、これまでの歩みをしっかりと踏まえながら、時代の変化に適切に対応してまいります。
市政運営につきましては、「第3次市総合振興計画」を基本姿勢とし、これまで市議会をはじめ、市民の皆様方からいただきました様々なご意見や、地域の実態を把握する中で、取り組むべき方針として三つの柱で市政を推進してまいります。
まず一つ目は、「市民の安全・安心が最優先」という考え方から、「安全で持続可能な生活環境づくり」であります。市民の命と暮らしを守ることは、行政の最も重要な責務であります。誰もが安心して暮らせる基盤を確立するため、必要な施策に取り組んでまいります。
近年、全国的に自然災害が頻発しております。本市においても8月、線状降水帯による大雨で甚大な被害が発生し、災害救助法、被災者生活再建支援法の適用及び激甚災害の指定を受け、復旧に向け全力で取り組んでおります。防災・減災対策の強化につきましては、河川改修事業や砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業などを促進し、「市強靭化地域計画」に基づき、自然災害に強いまちづくりに努めてまいります。
環境対策の推進・自然資源の保全につきましては、昨年から本格稼働した「なんさつECOの杜」によるエネルギー再資源化の推進や、排出されるごみの分別化・資源化によるごみの減量に取り組みながら、地球温暖化対策や脱炭素社会の実現を目指してまいります。
また、吹上浜沿いの松くい虫による松の被害につきましては、防砂林としての機能低下が危惧されることから、国・県と連携し、より効果的な防除や松林の再生等に注力してまいります。
なお、令和11年には全国植樹祭が、天皇皇后両陛下のご臨席の下、45年ぶりに本県で開催されます。今後招致活動を行い、県民の方々のご理解が頂けるのなら、是非とも県立吹上浜海浜公園での開催を実現し、緑化意識の高揚や本市の経済活性化の一助にしたいと考えております。
地域コミュニティの拠点となる地区公民館につきましては、老朽化対策とバリアフリー化を進め、誰もが利用しやすい施設づくりを行います。
また、県立施設の跡地につきましては、地域活性化に資する有効な利活用を図りながら、薩摩半島の拠点都市づくりを行ってまいります。南薩地域振興局跡地に建設を予定している、(仮称)南さつま交流プラザにつきましては、年度内に施設整備に向けたイメージ案をお示ししたいと考えております。
二つ目は、「住み慣れた地域で笑顔の日々を」との思いから、南さつま市を愛する全ての人のために「安心して暮らせるまちづくり」を行い、全ての世代が心豊かに暮らせるまちを目指してまいります。
地域医療につきましては、南薩医師会や県、鹿児島大学と連携を図り、必要な時に必要な医療を受けられるよう、救急医療体制や医師確保対策など関連する施策の充実に努めるとともに、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも安心して生活を営むことができるよう、地域包括ケアシステムの深化・推進に努めてまいります。
健康づくりの推進につきましては、市民一人ひとりが生涯にわたって元気であるために、「市健康増進計画」に基づき、生活習慣病予防や運動習慣の定着を支援する取組を推進します。また、健康ポイント事業の充実など、楽しみながら健康づくりができる環境づくりを進めます。
生活環境対策の充実につきましては、加世田市街地の快適な生活環境の確保と、中心市街地の活性化・利便性向上等に向け、引き続き公共下水道の整備を推進してまいります。
地域コミュニティの促進につきましては、コミュニティ活動の支援にも力を入れ、地域住民同士のつながりが生まれる仕組みを広げるとともに、地域で支え合う「顔の見えるまちづくり」を進めてまいります。
子育て支援の推進につきましては、こども家庭センター設置による児童福祉と母子保健の機能強化・連携を図り、育児不安の解消や児童虐待防止対策に努めてまいります。
また、子育てに関する負担軽減策として、本市独自の「すくすく赤ちゃんおむつ等支給事業」や、「すこやか子ども医療費助成」による高校生までの医療費窓口負担無料化などの負担軽減策に加え、本議会で条例を上程予定の「南さつま市乳児等通園支援事業」(こども誰でも通園制度)などの実施により、子どもの成長と子育て負担の軽減を図ってまいります。
三つ目は、「産業を興し、雇用を創る」との思いから「安定した活力ある地域経済づくり」であります。
本市の持続的な発展のためには、地域に活力を生み出す経済の循環が欠かせません。これまで築いてきた産業基盤を継承しつつ、新たな成長の芽を育てる政策を推進します。
産業の振興、経営支援につきましては、地域資源を活かし、付加価値を生み出す6次産業化の推進や、地場産業の育成・強化を積極的に進めるとともに、経済の域内循環を増やすことで稼ぐ力を高め、所得向上や地域経済の活性化を目指してまいります。
公共交通につきましては、深刻な運転手不足等により、今後も更なる路線の見直しが予想されることから、引き続き乗合型タクシーへの移行を進めるとともに、地域おこし協力隊による公共ライドシェアの運用や、新たな代替手段として、団体等による自家用有償旅客運送の実証に向けた取組を行ってまいります。
また、昨年に引き続き、「自動運転バスの実証運行」を来月下旬ごろから加世田市街地で計画しており、今後も未来技術を活用した社会実証事業に取り組むことで、持続可能な公共交通体系の維持・確保を模索してまいります。
デジタル化推進につきましては、各種手続のオンライン化を進め、市役所に行かなくてもスマートフォン等を使って手続ができる窓口のデジタル化を目指し、より利便性の高い市民サービスの実現を図ってまいります。
教育環境の充実につきましては、児童生徒が安全・安心に教育が受けられる環境整備を図るため、教室不足の解消をはじめ、老朽化の状況に応じた効率的・効果的な対策を講じてまいります。
また、市内3中学校の在り方検討委員会からの答申を踏まえ、中学校の教育環境整備充実に向けて取組を推進してまいります。
広域連携の推進につきましては、近隣自治体との協力体制を強化し、観光・防災・医療など広い視点から地域課題の解決を図ります。特に、「薩摩半島横断道路」につきましては、広域連携に加え、交流・関係人口の創出に寄与する重要な道路になりますので、国や県に対し、早期整備に向けた要望活動を、積極的に行ってまいります。
財政力の保持につきましては、ふるさと納税制度等の活用による自主財源の確保や、将来を見据えた公債費の調整、限られた財源を効率的で効果的な事業に活用することに努め、健全な財政運営を堅持しつつ、持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。
多様な人材の活躍促進につきましては、女性や障がい者、外国人を含む多様な人材が、その能力を発揮できる社会を推進し、全ての市民が誇りとやりがいを持って暮らせる地域を目指します。
以上、今後の政策の方向性について申し述べましたが、5期目の市政運営におきましても、市民の誰もが「南さつまはよかど!」と実感できる、持続可能な「安全・安心・安定」のまちづくりを目指してまいりますので、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、所信表明といたします。
それでは、先の定例市議会以後、これまでの諸般の経過、当面する市政の諸課題について、ご説明申し上げます。
健康づくりの推進につきましては10月11日、健幸・福祉ふれ愛フェスタをふれあいかせだで開催し、薩南病院副院長田中裕之(ひろゆき)医師、同病院緩和ケア認定看護師より講話をいただきました。会場では、各種測定や相談・体験コーナーや、軽トラ市などがあり、多くの方で賑わいました。
また、11月7日に市役所で、令和7年度8020運動達成者表彰式を開催し、9名の方を表彰いたしました。引き続き、歯・口腔の健康の保持・増進に努めていただき、自分の歯でおいしく食べ、健やかにお過ごしいただきたいと思います。
地域ケア体制の整備につきましては12月3日、いにしへホールで民生委員・児童委員に対する委嘱状伝達式が行われ、本市では、再任92名、前任1名、新任54名、合計147名が3年間の任期で委嘱されました。今後も民生委員・児童委員の活動へのご理解、ご協力をよろしくお願いします。
全国植樹祭につきましては11月21日、市内14団体のご理解の下、南さつま市開催推進検討会議を開き、同月27日には、県準備委員会へ本市での開催を熱望してまいりました。
ふるさと納税につきましては、本年10月からの制度改正に伴う募集サイトのポイント廃止による寄附の前倒し現象が生じたため、12月17日までの寄附額は約36億円 となり、対前年比103パーセントとなっております。
今後も業務の委託先である市観光協会や、返礼品事業者による「チーム南さつま」ふるさと納税振興協議会と連携したPRに努め、寄附額の確保による地元経済活性化を図ってまいります。
特産品販路拡大に向けた取組につきましては、10月8日から9日にかけて、東京都の霞が関コモンゲートにおいて、北海道旭川市と鹿児島市及び本市による「北と南の物産展」が開催されました。初開催ではありましたが、各市とも準備した品物の売り切れが続出するほどの盛況ぶりで、特産品のPR・情報発信の良い機会となりました。
また、11月25日から26日にかけて、東京都の日本航空本社において、「JALマルシェ鹿児島in天王洲」が開催され、2日間で1,000人を超える来場者がありました。初日にはトップセールスを行い、特産品の販売や、観光のPRを行いました。
今後も持続的な取組を行ってまいります。
海業の振興につきましては11月30日、野間池みなと広場において、県の半島特定地域「元気おこし事業」を活用した、タレントの中川翔子さんのデザインによる「タカエビモニュメント」がプレオープンいたしました。
お披露目式では、笠沙小学校児童による「笠沙太鼓」の演奏や中川さんからのお祝いビデオメッセージが披露され、会場では、海鮮鍋やタカエビのふるまいをはじめ、水産加工品等の販売など、大勢の来場者で賑わいました。
その後も、多くの方が訪れていると聞き、大変うれしく思っているところでありますが、さらに今後は、令和8年度末までにモニュメント周辺を含めた広場全体の整備を行ってまいります。
スマート自治体の推進につきましては、スマートフォンに不慣れな市民のデジタル活用を支援するため、10月から11月の6日間、本庁及び各支所においてスマホ講習会を開催し、操作やネット犯罪などへの注意点について、53名の方が受講しました。
(仮称)教育行政棟につきましては、来年秋頃の開所を目指して10月24日、新築工事安全祈願祭が建設予定地において開催されました。完成後は、防災や生涯学習の拠点としても有効活用するなど、持続可能な管理・運用を図ってまいります。
生涯スポーツの推進につきましては10月21日、桷志田サッカー競技場において、第14回桷志田杯グラウンド・ゴルフ大会を開催し、市内外からの32チーム、156名が競い合いました。
加世田運動公園野球場の命名権(ネーミングライツ)につきましては、「スターゼンミートプロセッサー株式会社」と契約を結ぶこととなり、野球場の愛称名を「スターゼンスタジアム」とすることに決定しました。契約期間は令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間で、契約金額は年110万円です。
今後も各種スポーツの普及や施設維持のための財源確保に取り組んでまいります。
歴史・文化・伝統の継承につきましては、10月に各地で伝統芸能が行われ、10月18日から19日にかけて坊ほぜどん、10月19日には小湊中央太鼓踊りがあり、10月23日の津貫中間豊祭太鼓踊は、戦後復活80周年記念の祝賀会も開催されました。
今後も地域と連携し、伝統の継承と育成活動に対し、必要な取組を行ってまいります。
消防・救急対策の取組につきましては11月4日、圧縮(あっしゅく)空(くう)気泡(きあわ)消火装置・チタン製3連はしご等を搭載した水槽付き消防ポンプ自動車を、金峰分遣隊へ配備いたしました。また、秋の全国火災予防運動が11月9日から15日まで行われ、消防団が地元での訓練や火災予防広報を実施しました。
交通安全・防犯対策の充実につきましては12月9日、市役所前広場において、「年末年始の交通事故防止運動・地域安全運動」合同出発式があり、阿多こども園児による太鼓演奏や宣言の後、白バイ・パトカー等のパレードを行い、犯罪の未然防止や交通安全を呼びかけました。
国内交流につきましては、11月8日から9日にかけて、学校法人玉川学園で開催されたコスモス祭に、久志地区元気づくり委員会のメンバーに参加いただきました。
会場では、坊津地区の特産品販売を中心に市のPRなどを行い、訪れた郷土会の方々と交流を深めました。今後も玉川学園との活発な交流と包括的な連携を進めてまいります。
また、8月の大雨の影響により延期されていた北海道旭川市との青少年交流が、令和8年1月4日から7日にかけて行われます。ホームステイなどの交流プログラムを通じ、両市の子どもたちが交流の歴史を学ぶ機会を創出するなど、姉妹都市交流をさらに深めてまいります。
令和7年12月を終期とする第3次南さつま市行政改革大綱につきましては、これまでにも様々な取組を行い一定の成果を上げていることから、令和9年度から始まる次期南さつま市総合振興計画と統合し、各施策との整合性を図ることで、着実な自治体経営を推進してまいります。